2004 Fiscal Year Annual Research Report
カリブ諸島で発生しているパーキンソニズムの原因解明と他地域における予防措置
Project/Area Number |
16406004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古武 弥一郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20335649)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経毒 / テトラヒドロイソキノリン類 / P糖タンパク質 / バンレイシ科 |
Research Abstract |
カリブ諸島を中心として発生したパーキンソニズムは、同地域をはじめとする熱帯地方で摂取されている果物と関係あるという報告がなされ、我々のグループは果物の成分中に神経毒であるテトラハイドロイソキノリン(TIQ)類が含まれていることを明らかにした。本研究の目的は当該地域における果実の採取が上記疾患の原因となっている事を明らかとし、更に原因物質の解明を行うことにある。また本果実を摂取しているその他の地域で本疾患が発症する危険性を予知する事も含まれる。 今年度の成果として、果実に含まれるTIQ類の神経毒性をカテコールアミン系神経芽細胞種SHSY-5Y検討したところ、レティキュリンをはじめ数種のTIQ類において強い神経毒性を検出した。 また日本国内における同様の果実の存在を検討したところ、同じバンレイシ科であるチェリモヤという果実が販売されていることが明らかとなったので成分の検討を行った。その結果神経毒性を示す成分は認められなかった。従って国内で流通している類縁果実の摂取による発症の危険性は低いと考えられる。 果実から検出されたTIQ類についてその脳からの排泄機構を検討したところ、P糖タンパク質がこれらの排泄に関与していることが明らかとなった。カリブの住民におけるP糖タンパク質の機能測定を行うことが発症の指標に成りえる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)