2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマー国に於ける環境毒性物質としての鉄による肝癌発症若年化に関する調査研究
Project/Area Number |
16406005
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小路 武彦 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30170179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 善隆 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (60304276)
安 樹才 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30404213)
和泉 伸一 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (40264246)
岡田 茂 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 名誉教授 (20033201)
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Keywords | ミャンマー / 肝癌 / 鉄 / 肝炎ウイルス / Ki-67 / アポトーシス / Fas / Fasリガンド / KGF |
Research Abstract |
ミャンマー国では、肝癌の発症は30代前半から見られ、低年齢での肝癌死亡例が多数経験されている。この原因の一つとしてミャンマー国土に高濃度で含まれる鉄の過剰摂取の関与が指摘されている。本研究では、ミャンマー国保健省医学研究局(DMR)との共同研究として肝癌試料を収集し、特にHCV陽性例に注目して肝に於ける鉄沈着と肝細胞の増殖及び死の動態を解析することを目的とした。本年度は、平成19年2月19日から2月23日にかけてヤンゴン市内に滞在し、1)DMR内外から25名前後の医学研究者の参加のもと、第5回講習会を開催し、HCV及びHBVのミャンマー試料での免疫組織化学的検出法を示した。2)今までのHCV陽性例での結果と比較するため、HBV陽性肝癌試料(10例)を入手した。3)これまでの試料解析と今回の試料による結果の確認により、ミャンマー肝癌では日本人試料に比較して有意に鉄の沈着が認められ、Ki-67陽性率と正に相関した。Fas/Fasリガンド系に依存したアポトーシスの増大も認められたが鉄沈着との相関は認められなかった。4)鉄過剰摂取ラットモデルに於いて肝再生過程でのDNA合成の早期化は、KGF並びにKGFR発現と密接な関係にあることが見出され、鉄による酸化ストレスとDNA合成促進をKGF系が媒介している可能性が示唆された。5)CC14投与肝障害ラットモデルに於いても、同様な鉄過剰摂取によるDNA合成の早期化が認められた。6)更に、今回の訪問で長崎大学とミャンマー国保健省医学研究局並びに医科学局との間で学術交流協定を締結した。この協定により、DMRを始めミャンマー国全ての医科大学、歯科大学等の医療系大学との学術交流が正式に合意され、共同研究の更なる展開への支援体制の具体的強化が図られた。尚、ミャンマー試料の解析結果は、現在J Gastroenteologyに(印刷中)である。
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Research Products
(7 results)