2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスなどの途上国における予防接種の問題に関する研究
Project/Area Number |
16406018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒岩 宙司 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30345037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALI Moazzam 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60401030)
崎坂 香屋子 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00376419)
高橋 謙造 順天堂大学, 医学部, 助手 (00365628)
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Keywords | 予防接種活動 / 針刺し事故・医療廃棄物 / ラオス:モンゴル:中国など / 社会的要因 |
Research Abstract |
1.ラオスでの予防接種率に関する研究 (1)破傷風トキソイド接種と清潔分娩の現状分析 社会的要因、伝統と破傷風トキソイド接種の関連性を、ビエンチャン市、212世帯のインタビューで解明した。破傷風根絶は破傷風トキソイド接種と清潔分娩が重要だが、前者は8割、後者は6割程度の達成率で、それぞれ異なる部署が管轄しており横の連携を強化し共に底上げする重要性が示唆された。伝統的な風習はトキソイド接種状況に影響せず、ラオス独自の文化を守ることと疾患予防の共存の可能性を示唆した。 (2)5歳未満児の予防接種影響要因に関する研究 北部のウドムサイ県にて341人の5歳未満児を持っ母親にインタビューを行った。予防接種率は70%あり公式報告より高かった。低就学率・無識字率、施設外分娩者などでヘルスワーカーの戸別訪問が予防接種に影響し、村長の影響力が強かった。公式報告よりも良い接種率は実際の人口が家族計画の影響などで少ないことを示唆し、母親の教育、施設の利用、戸別への情報伝達が予防接種向上への要因と示唆された。 2.ラオス・モンゴルでの予防注射用注射針処理器の介入研究 予防注射器処理機を発明し特許申請中で(特願2005-350782)、ラオス国立病院、モンゴルの2中央病院でテストを行った。簡便で使い安く好評であり、実用面の課題を改善し、現在WHO西太平洋地域事務局で品質を審査中である。モンゴルの病院スタッフに針刺し事故に対するトレーニングの介入試験を行い解析中である。 3.中国での注射事故に対する医科大学学生の意識調査 中国では医科大学学生の針刺し事故による血液媒介感染研究は少なく、某医大の7専攻、5学年の1,070人の学生を対象に、血液媒介感染に対する職業安全性に関する知識・態度・行動の調査を行なった。総じて高いリスク意識を持っているがHIV患者と共に住むなどの意識が低い。事故率が高い歯学部学生と医学部4、5年生は安全でない行動が多く職業安全性に関する医療教育との強化が望まれる。
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Research Products
(4 results)