2006 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ周辺における金属汚染の実態と住民の遺伝子不安定性の解明
Project/Area Number |
16406020
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
齋藤 寛 長崎大学, 学長 (80004901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 義貞 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
高村 昇 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
渡辺 孝男 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20004608)
中野 篤浩 国立水俣病総合研究センター, 基礎研究部, 部長 (20041329)
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Keywords | チェルノブイリ / 金属汚染 / ヨード / 甲状腺がん / ポルフィリン |
Research Abstract |
1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故において、事故時に乳幼児であった世代から甲状腺がんが多発したことはよく知られているが、この詳細なメカニズムについてはまだ明らかになっていない。一方で、事故直後に放射能の除染を目的として鉛をはじめとする重金属類が空中から散布されたことが明らかになっており、すでに鉛の汚染状況についての地図も作成されている。しかしながら、これによる住民の健康影響については、これまで全く調査が行われていない。近年、in vitroにおいて、カドミウムやニッケルといった金属に曝露したcell lineにおける遺伝子不安定性が報告されており、放射線被ばくと同様、金属曝露も遺伝子不安定性の原因となることが示唆されてきている。そのため我々は、主にウクライナ放射線医学研究所との共同研究で、チェルノブイリ原発事故のもう一つの側面として、同地区における金属汚染の実態を明らかにし、さらにこれによる染色体レベルでの変異解明を目的としている。 本年度は、昨年度までの解析結果に加えて毛髪を用いた微量金属の再評価を行ったが、毛髪と金属汚染レベルでは相関関係はみられなかった。その一方で血液中の微量元素については有意に上昇しているものがみられ、今後さらなる評価が必要であると考えられた。 7月にはこれまでの研究成果の総括を行うために、研究代表者、分担者に加えてウクライナの海外共同研究者、さらに国内や中国、ベラルーシ共和国などからも専門家を招聘しての国際会議を開催し、グローバルな視点からの金属汚染の現状についての報告と今後の取り組みについて協議した。
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Research Products
(6 results)