2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16406025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 謙 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90226829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶珠山 務 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (20258627)
花岡 知之 国立がんセンター, がん予防・検診研究センター・予防研究部, 室長 (00228503)
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Keywords | 職業がん / 疫学 / コホート研究 / 製鉄業 / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
1)中国鞍鋼製鉄所従業員コホートの第2次追跡作業:平成17年2月26日より3月3日まで中国遼寧省疾病予防センターを高橋と寶珠山が訪問し、潘國偉氏および馮毅平氏(研究協力者)と本コホートの第2次追跡の具体的進め方について打合せを行った。今回予定している第2次追跡の方法は、第1次とほぼ同様に、1994年1月1日から2003年12月31日までの期間について、同製鉄所人事部の記録を基に鞍山市保健局の死亡登録を照合して、生存状況を確認するものである。さらに、鞍山市保健局の死亡登録を閲覧してコホート構成員の死亡者の漏れについても確認を行う。ただ、1994年以降、同製鉄所は組織編成で複数に分社化され、健康保険データベースが改築されたため、第1次追跡での個人識別番号が利用不可能となっている。現在、潘氏および馮氏の指示のもとで、複数の遼寧省疾病予防センター研究員が、第2次追跡に備えた新たな個人識別番号の整理を行っており、第1次追跡結果とのリンクと同製鉄所人事部の記録等の閲覧を実施中である。 2)第1次調査結果の追加解析等:第1次追跡データ(1980年1月1日〜1993年12月31日の14年間について、14万7,062名の生存状態を追跡[追跡率98.1%]し、観察死亡数13,960例[男性13,363、女性597]、がん死亡4,358例[男性4,141、女性217]を含む)を解析し、15種類の製鉄要因ばくろとがん部位別死亡との関連を年齢と入社時期を調整して検討した結果、ばくろ要因数増加に伴うがん死亡リスクが上昇する傾向が見られ、特に、男性で5種類以上の要因ばくろの肺がんリスクは、非ばくろ労働者に比べて、10.2倍高まる結果が得られた。これまで製鉄所要因ばくろの数とがん死亡との関連の報告は世界でも例がなく、本結果に基づいた論文を執筆中である。
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Research Products
(4 results)