2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16406026
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飴嶋 慎吾 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
松川 茂 福井大学, 総合実験研究支援センター, 助教授 (00092809)
酒井 秋男 信州大学, 大学院医学研究科, 助教授 (70020758)
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Keywords | ヤク / 肺循環 / eNOS / DDAH / 低酸素適応 / 高地適応 |
Research Abstract |
昨年度は日本国外務省から国際テロ発生の危険地域としてキルギスタンへの渡航自粛が決定されたので、現地へは本年度(H17)に実際渡航した。 1)高地適応動物の野生ヤク(2歳、雄、体重約200Kg、2匹)を用いて肺組織のeNOS蛋白の発現、DDAH蛋白発現と酵素活性を、同時作成した牛肺組織のそれとをウェスタンブロット法で比較検討した。 結果は、牛肺と比べ、ヤク肺のeNOS蛋白の発現が有意に高く、DDAH蛋白発現と酵素活性もヤクでより高値であった。一方、両動物の腎組織のDDAH蛋白発現は差を見なかった。 この結果は、低酸素環境下に生息するにもかかわらずヤクの肺循環系が低圧系に維持されている理由として、肺血管系のNOSが充分機能していることを直接証明するものである。さらに、DDAH活性の増強は内因性NO阻害物質の発生を抑制するという作用によって肺組織内ではNOの効果が最大限維持されていると考えられる。ヤクの高地適応メカニズムの一端の解明につながる成果と考える。成果の一部はキルギスタン,Issyk Kulでの6月5日〜8日開催予定の国際会議(NATO科学部門支援)High altitude Medicine and Biology Advanced Research Workshopで発表予定である。
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