2004 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺リンパ上皮性癌に特異的にEBウィルス感染の分子病理学的解析
Project/Area Number |
16406033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
程 くん 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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Keywords | リンパ上皮性癌 / 唾液腺 / 中国 / 株化 / LMP1遺伝子 / 塩基配列決定 / NF-kB / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
(1)DNA抽出とEBV遺伝子増幅:今年度は主として中国各地より収集したヒト唾液腺リンパ上皮性癌(LEC)症例のパラフィン包埋組織材料よりDNAを抽出し、PCR法によってLMP1遺伝子の全領域を中国20症例について決定した。ついで、LMP1遺伝子プロモータ全領域についても成功した。さらに、同様の方法で、EBNA1、BALF1、LMP2、EBERの適切なプライマー設計をおこない、次年度の完全長解読を目指している。 (2)EBV遺伝子変異・多形性の検索:(2)項で準備されたPCR産物は直接シークエンス法により、それぞれ塩基配列を決定した。各PCR産物を連続site再構成し、最終的に全遺伝子配列を決定した。本年度に完成させた20例のLMP1およびそのプロモータの配列について、EBVの野生株B95.8をプロトタイプ対照として塩基クラスター解析をプロヒット教授の支援をえて実施し、サンプルのなかで共通性の高い領域と変化の大きい領域とをみいだし、すべての遺伝子に共通性の高い変異・多様性領域を腫瘍原性ととらえることの可能性を検討した。 (3)LEC由来LMP1の細胞増殖活性の検討:上記のように決定したLMP1遺伝子のひとつをもちいて、293T細胞にトランスフェクトし、NF-kB活性の上昇することをみいだしたが、同時に細胞増殖抑制が生じることも判明した。 (4)リンパ上皮性癌由来細胞の株化:上海で採取したLEC細胞を維持してその株化をこころみている。癌細胞にはEBV関連遺伝子が証明されているが、継代によりそのレベルが低下している。 (5)リンパ上皮性嚢胞の症例検討:リンパ上皮性嚢胞が中国に多発することが判明しているので、LECの発症背景として、それらの臨床病理学的解析を開始した。 (6)成果の発表:以上の成果の部は、第3回国際分子病理学シンポジウム(中国・昆明、8月)および2004年口腔顎顔面腫瘍基礎研究シンポジウム(中国・上海、11月)ほかにおいて発表した。
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Research Products
(4 results)