2007 Fiscal Year Annual Research Report
スリランカ・台湾における口腔がんの分子疫学的比較調査
Project/Area Number |
16406034
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 敏之 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50226172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 逸朗 北海道医療大学, 歯学科, 教授 (50250460)
土井田 誠 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90313890)
山下 知己 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80345793)
石崎 明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (20356439)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
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Keywords | ORAL CANCER / CARCINOGENESIS / BETEL CHEWING / MOLECULAR ANALYSIS |
Research Abstract |
研究計画書の如く、これまでと同様に下記地域・施設にて検体の集積を行い、解析を行った。 調査実施国・場所は、スリランカ共和国(ペラデニア大学歯学部附属病院を基点に他18施設)および台湾(中華民国) 高雄医科大學付属病院(口腔院口腔外科)で、上記施設を受診した患者より、噛みタバコの習慣を有し、口腔粘膜病変(癌、白板症、粘膜下線維症)を有する者と病変を有しない者(他病変で来院した患者)を登録し、プロトコールに従って臨床的事項を記入し、それらの検体を用いて、p14、p15、p16、MGMTのmethylation statusを評価した。口腔病変のうち白板症ではMild dysplasia(n=44)、Severedysplasia(n=20)、Submucous fibrosis(n=10)において、p14,p15,p16は病理組織学的に悪性化(重篤化)するにつれてメチル化異常を伴う頻度が上昇するのが観察された。特にsubmucous fibrosis症例ではp53の変異が50%に認められ、p14,p15,p16のメチル化異常も60〜80%の極めて高い頻度で観察された。この現象は、国内に於ける検討でも観察されること、さらには、p16,MGMTのメチル化異常が口腔がん組織において高率に見出され、病変近傍の組織学的に健常な部位からも検出されることより、これら細胞周期や遺伝子修復に関わる遺伝子のメチル化異常が口腔がんの発癌や病変進行に関与している可能性が示唆された。これらの成果を「High frequency of hypermethylation of p14,p15 and p16 in oral pre-cancerous lesions associated with betel-quid chewing in Sri Lanka」としてJ Oral Pathology and Medicineと「Expression pattern of p63 in oral epithelial lesions and submucous fibrosis associated with betel-quid chewing in Sri Lanka」としてMed Mol Morpholに投稿し公表した。また、本研究を通じて、口腔粘膜病変におけるサンプル採取方法として、従来の生検サンプルに比べ、綿棒擦過標本は組織の量的・質的問題はあるものの説明と同意をうるのが容易で、結果として多数のサンプリングが可能となり、今後、規模の大きな(健診を含め)検討をする場合に有用な方法と考えられた。
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Research Products
(4 results)