2006 Fiscal Year Annual Research Report
将来の計算機構としての可逆コンピューティングの研究
Project/Area Number |
16500012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森田 憲一 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (00093469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 勝喜 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (20253106)
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Keywords | 可逆計算機構 / 可逆論理 / 可逆セルオートマトン / 計算万能性 / 可逆チューリング機械 / 万能チューリング機械 |
Research Abstract |
可逆コンピューティングは基本的な物理法則の一つである可逆性を反映した計算モデルであり、将来の計算機の可能性を探る際の重要な鍵となっている。本研究ではこのような観点から可逆計算機構の理論的研究を行い、本年度は計算万能な1次元可逆セルオートマトンの単純化と、万能可逆チューリング機械の小型化についての研究を行った。 具体的な成果は次の通りである。 1.計算万能な1次元可逆セルオートマトンの単純化 1次元可逆セルオートマトンの計算万能性(任意のチューリング機械をシミュレートできる性質)に関しては、昨年度の研究により、無限状相の場合は36状態、有限状相の場合は98状態と、非常に少ない状態数の万能可逆セルオートマトンが構成できることが判明している。本年度の研究により、無限状相の場合の状態数をさらに減少させることができ、計算万能な30状態の可逆セルオートマトンが構成できることを示した。 2.万能可逆チューリング機械の小型化 プログラム内蔵型計算機の理論的モデルと考えられる万能チューリング機械は、従来から多くの研究がなされており、Minsky, Rogozhinらにより非常に小さいサイズの万能チューリング機械が構成されている。本研究では、それの可逆版がどれほど小型化できるかの問題を研究し、14状態7記号のものをはじめ、いくつかの小型万能可逆チューリング機械を得た。 次年度は、これらの結果を元に計算万能性を有する可逆システムの単純化と実装可能性の研究をさらに進める。
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Research Products
(2 results)