2007 Fiscal Year Annual Research Report
将来の計算機構としての可逆コンピューティングの研究
Project/Area Number |
16500012
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森田 憲一 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (00093469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 勝喜 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20253106)
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Keywords | 可逆計算機構 / 可逆チューリング機械 / 万能チューリング機械 / 可逆セルオートマトン / 計算万能性 / 可逆論理 |
Research Abstract |
可逆コンピューティングはミクロな物理法則である可逆性原理を反映した計算モデルであり、将来、原子・分子レベルの物理現象を直接的に用いて高集積度のコンピュータを作ろうとしたときに重要になる計算モデルである。本研究ではこのような計算機がどれほど単純な可逆的素過程から構成できるかを、可逆チューリング機械や可逆セルオートマトンなどの計算モデルを用いて解明するとともに、この理論の体系化を行った。特に本年度は以下の成果を得た。 1.万能可逆チューリング機械の小型化 万能可逆チューリング機械のサイズ、すなわち状態数と記号数をどれほど小さくできるかの問題を研究し、前年度に得た予備的成果よりも小さい17状態5記号と15状態6記号の万能可逆チューリング機械を得た。 2.計算万能で単純な1次元可逆セルオートマトン 前年度までの研究により、無限状相の場合は30状態、有限状相の場合は98状態の計算万能可逆セルオートマトンが得られているが、本年度は、セル間の通信を1ビットに制限した計算万能モデルが構成できるという結果を得た。 3.可逆コンピューティングの体系化 最終年度にあたり、可逆論理素子、可逆チューリング機械、可逆セルオートマトンを含む可逆コンピューティングの枠組みの体系化を行った。特に、本研究の代表者のこれまでの研究成果を中心に述べたサーベイ論文を出版するとともに、国際会議、国際ワークショップでの招待講演でそれらを発表した。
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Research Products
(6 results)