Research Abstract |
インターネットのサービス異常に係わる情報の効率的な収集と有機的な結合,さらに,状況把握と異常原因の究明を助ける基盤技術として,以下の研究を進めた. 1.協調型アクティブモニタリングシステムの実現法 アクティブモニタリングでは,測定のための負荷を発生する操作と計測操作を同期的に行う.本研究では,グリッドコンピューティングの技術を用いて,これらの操作を行うホストを動的に選択しモニタリングに参加させる機能を提示した.また,多地点で協調的にパケットを観測し,結果を有機的に結び付けるために,各地点の観測装置に搭載するミドルウェアとして,モニタリング・カーネル(Mカーネル)を実現した.Mカーネルは,パケットの収集,他のMカーネルとの同期・通信など,観測と結果の結合のための基本命令を,観測装置のOSやパケットキャプチャ機能の異種性を隠蔽した形で提供する. 2.オンチップ・パケット分類器 通信の監視では,特定のクライアントとサーバ間の通信,特定ホスト間の通信,特定ネットワーク間の通信など特定の通信に係わるパケットを選択し収集するパケットキャプチャシステムが不可欠である.本研究では,パーソナルコンピュータの通信機能の一部としても搭載可能な,高速でコンパクトなオンチップ・パケット分類器を提案し,その実現法を提示した. 3.ネットワークアクセス検査機能の設定検証システム ネットワークアクセスに対する監視,制御,診断などの機能(NAI)の設定とネットワーク全体のアクセス制御方針との整合性を検証するシステムを提案した.提案システムは,ネットワークの状態に基づいてアクセス制御方針を解釈するリフレクタ機能を有する.これにより,記述の抽象度の異なるNAIの設定とアクセス制御方針の比較検証を可能にする.
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