Research Abstract |
本研究では,Malone教授の提唱する「21世紀型組織構造」を,コミュニティ活動を支援するシステムとして捉え,このシステムに関して,分散ネットワーク型コミュニティシステム有の実現及び大学をメタファとしたサイバー空間の構築に関する研究を行い,以下の研究成果を得た. 5.分散ネットワーク型コミュニティシステムの実現 大学をメタファーにし,時間+空間+個人情報+端末情報,によってシステムの機能や振る舞いが変化する分散ネットワーク型コミュニティシステムを試作した.また,試作を通して,本コミュニティシステムのモデル化,形式化,設計の実践的な評価検討を行った.試作したシステムは,(1)スケジュール管理システム,(2)オントロジー型教育支援BBSの2つである. 6.大学をメタファーとしたサイバー空間の構築 以上の研究を踏まえ,本研究の延長として,大学をメタファーとしたサイバー空間を構築した.サイバー空間構築の目的は,これまで試作した各コミュニティシステムを総合的に組み合わせ,教育支援,大学の円滑的運営の観点から標記システムの実際的な利便性を評価することである. これらのシステムは,大学を模倣したイメージ上に配置され,例えば教室のイメージを選ぶと,時刻,履修状況などの個人情報,利用端末に合わせて,適切なスケジュール管理システム,オントロジー型教育支援BBS,板書システムなどが現れる仕組みとした.これらのシステムは,ユーザ毎に自由に新規設置(プラグイン)できるようにした.システムの実現に際し,次の課題を克服することが重要であるとの知見を得た.(a)実空間と仮想空間の連携.(b)システムの自由なプラグイン機能.(c)時間,空間,個人情報,端末情報の適切な取り込みと管理・保守.(d)アクセスコントロール(コミュニティ,及びメンバーに対する,読む,書く,修正,利用に関する権利の制御)など.
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