2005 Fiscal Year Annual Research Report
品質保証を可能にするマルチサービス光ネットワークアーキテクチャに関する研究
Project/Area Number |
16500046
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
計 宇生 国立情報学研究所, ソフトウェア研究系, 助教授 (80225333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松方 純 国立情報学研究所, 情報基盤研究系, 助教授 (70173820)
藤野 貴之 近畿大学, 工学部, 講師 (60300703)
張 勇兵 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (80242353)
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Keywords | 品質保証 / マルチサービスネットワーク / 光ネットワーク / 光バーストスイッチング / 光パケットスイッチング / サービス差別化 / スケジューリング |
Research Abstract |
本研究では、超高速光ネットワークアーキテクチャにおいて、異なる品質レベルのサービスを共通のネットワーク基盤上で提供できるような、マルチサービスの実現方法について検討する。そのために、さまざまな交換方式やネットワークの制約条件に基づく光ネットワークにおける品質保証法を検討し、有効なサービス品質保証の実現のメカニズムについて解明する。 平成17年度では、昨年度で検討、提案されている光バーストスイッチングネットワークにおけるサービス品質差別化方式について、連続マルコフ連鎖モデルによる理論評価モデルを構築し、バースト長がボアソン分布を有する場合について、理論計算とシミュレーションによる評価結果がよく一致していることを確かめた。さらに、これまでの相対的品質差別化の方式の提案に加え、絶対的品質保証のための方式について検討し、波長先取りによる絶対的品質保証方式を提案した。提案方式では、これまでに提案されている優先的廃棄方式よりも、無駄な廃棄をなくすことによって、高優先サービスの廃棄率を抑えると同時に、すべてのサービスクラスの平均廃棄率をより小さく抑えられることがシミュレーションおよび解析によって確かめられた。 また、動的波長割当法の実現方法として、WDMによる波長ルーテイング方式を採用したネットワークにおける論理トポロジーの構築方法について検討し、新しいアルゴリズムの提案を行った。提案方式では、ネットワークの上に流れるトラピックの変化や利用できるネットワーク資源の変化が起こった場合、現在流れているトラピックへの影響を考慮し、それを最小限にすることができる方式である。シミュレーションの評価により、これまでの方式と比べ、中断される通信の数を抑えながら、パケット伝送経路の平均ホップ数を削減できることが確かめられた。 本研究は、サービス品質保証の概念を新しい通信アーキテクチャである光ネットワークの範疇へと広げるためのものであり、新しい交換アーキテクチャの研究が行われている今日では、より高度なサービス機能を光ネットワークで提供する仕組みの開発が必要であり、本研究の成果はそれに寄与するものである。
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Research Products
(19 results)