2006 Fiscal Year Annual Research Report
既存ヘルプ文書を言葉で記述された知識として再利用する知的な質問応答システムの開発
Project/Area Number |
16500050
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 一郎 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (60281440)
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Keywords | 言語による操作 / 知的情報提示 / テキスト要約 / 被験者実験 |
Research Abstract |
○エンドユーザへの柔軟な情報提示メカニズムの提案 エンドユーザに対して、テーラーメイドなヘルプ情報を提供するメカニズムを開発するため、ユーザの着目する視点に応じて情報の詳細度を変化するメカニズムの提案および開発を行った[Watanabe et al.2006]。開発したメカニズムには重要文抽出に基づくテキスト要約技術を採用しており、要約対象となるテキストデータが存在する場合は、ユーザの着目する視点に合わせて、そのテキスト文中から重要文を抽出し、ユーザが興味あると考えられる情報を提示する。 ○アプリケーションソフトウェアの言葉による操作 昨年度に構築した、ユーザの要求に対してアプリケーションソフトウェアを操作するプロトタイプシステムの機能を拡張した。プロトタイプシステムを操作する際に、ユーザの発話による要求をアプリケーションソフトウェア使用のユースケースに結び付ける。その際、ユーザの発話表現からどのアプリケーションソフトウェアを起動し、どのコマンドを操作するかを決定するために、アプリケーションソフトウェアのユースケースに基づいた、言語表現とアプリケーションソフトウェアのコマンドを結びつける辞書(「ユースケース関連辞書」と呼ぶ)を作成している。ユースケース関連辞書は、ユーザの発話表現の中に現れるアプリケーションソフトウェアに関連するキーワードに対して、得点を与え、その総合点が高い特定のアプリケーションソフトウェアおよび操作コマンドを特定する。それぞれの語が持つ得点は、特定のアプリケーションソフトウェアを使用する際に頻出する語の頻度情報を基にしている。頻度情報は、アプリケーションソフトウェアのマニュアルを分析することから得ている。これにより、それぞれの語に対する基本となる得点を設定することができ、ユーザの発話に対して適切なアプリケーションソフトウェアのコマンドを選択できる可能性が広がった[Onishi et al.2006a][Onishi et al.2006b][Iwashita et al.2006]。 ○開発したシステムを利用した被験者実験 柔軟な情報提示メカニズムの性能を評価するために20代女性10人を対象にし、システムが出力した結果と人間が出力した結果の比較を行った。実験結果として、人間の出力とほぼ変わらぬ精度でシステムは情報提示を行えていることが判明した[Watanabe et al.2006]。
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Research Products
(5 results)