Research Abstract |
ビデオカメラの監視映像から移動物体を抽出し,単一カメラ画像からの3次元位置,大きさ,体積を推定する方式を提案した.一般に単一カメラから3次元位置を検出ことは難しいが,人間の持つ知識により,空間を人工物の内部(例えば,部屋,駐車場など)を仮定すれば,床は水平,壁は垂直と想定することができる.このような知識を利用することで,3次元位置の計測を可能にした.試作システムでは,1秒間に約10回の計測が可能であり,通常の人物の動きを検出することは十分可能であった.大きさの近い移動物体を追跡し(時刻,3次元位置,大きさ,体積)の情報を危険検知サーバに送り,危険判定を行った.危険判定は,あらかじめ指定しておいた危険領域での物体の滞在時間,物体の大きさ,物体の動作に基づいて判定される.すなわち,特定の大きさの移動物体が,指定の領域に入り,ある時間滞在し,その間に特定の動作をした場合,危険とみなし,警報を発する.現在,物体の動作は,物体の移動経路に基づき記述しているが,物体形状の変化をより詳しく解析することで,物体の判定と細かい動作抽出を行う予定である. 危険検出サーバにおいては,1秒間に10回移動物体の情報が送られてくるため,複数カメラで複数の物体を追跡する場合,膨大な位置情報を管理しなければならない.また,物体の領域への侵入,物体間の距離,移動経路に基づく動作記述を得るために,近接性や包含関係などの空間的な検索を高速に実施する必要がある.このために,移動オブジェクトの軌跡を効率的に管理・検索できるデータ構造が求められている.本研究では,筆者らがこれまでに研究開発した時空間データ構造PMD木を応用することで,空間と時間を指定した時空間検索の高速化を図った.
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