Research Abstract |
自律型エージェントからなるチームへの状況適応的なタスク委任支援を実現するため,特にマルチ・ロボット競技を具体的対象として,エージェントが担う機能の状態を階層的に表示したヒューマン・エージェント・インタフェース設計理論を確立する. 1.インタフェース評価用認知シミュレーションシステムの構築 海外共同研究者との共同研究として8タイプの異なるインタフェースを使用した認知実験を実施し,被験者による制御内容およびインタビュー等の基礎データを獲得した.この解析から,オペレータの認知的タスク,オペレータの基本的なメンタルモデル(ミッションに対する心理的モデル),情報の獲得方策(情報の形態,情報の内容),状況把握の戦略(状況の評価法),制御戦略(状況ごとの制御ルール)等を同定することで,認知的リソースの推定を可能とする認知タスクネットワークモデルを構築した. 同定したモデルの妥当性を評価すべく,ロボット数やインタフェースが異なる各条件においてモンテカルロ・シミュレーションを実施したところ,基本的な特徴において認知実験における主観的評価結果と合致し,各条件間の相違を推定可能であることがわかった.モデルの基本的な妥当性が確認できたことから,今後はその緻密化により,インタフェース評価に十分なレベルまでの精度向上を行う. 2.認知タスク解析によるタスク機能構造の同定 上記の認知実験データの解析結果を用いることで,機能状態表示インタフェース設計の基盤となるタスク空間の機能階層構造を構築している.具体的には,ミッションを機能の面から解析・整理することで,タスクの目標,各ロボットが担う機能,ロボットの情報獲得に関する制約,移動における制約,環境の物理的制約等の明確化を行っている.今後,階層的な目的-手段記述空間上において,同定した全ての制約を本タスク空間の機能構造モデルとして統合する.
|