2004 Fiscal Year Annual Research Report
Visual Flowに基づく空間認知の脳内神経機構の研究
Project/Area Number |
16500087
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
樋田 栄揮 玉川大学, 工学部, 教授 (60142006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 秀昭 玉川大学, 工学部, 教授 (30215553)
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Keywords | Visual Flow / 順応 / MT野 / MST野 / 運動情報統合 / 運動残効 / コンポーネント細胞 / 統合細胞 |
Research Abstract |
今年度は、Visual Flowに基づく空間認知の神経機構を解明するために、以下の3つの問題について研究を行った。 (1)MT野からMST野への視覚運動情報の統合過程に関する研究 局所運動の検出を行うMT野細胞および広視野運動の検出を行うMST野細胞の二方向重畳視覚フロー(visual flow)に対する反応特性を比較解析することにより、MT野からMST野への神経情報統合様式を考察した。今回記録したMT野細胞は、すべて、二方向重畳運動を構成する二つのコヒーレントな運動の一方が細胞の最適方向とほぼ一致したとき最大反応を示した。一方、MST野では、MT野で見られたようなチューニング特性を示す細胞(コンポーネント細胞)の他に、重畳運動の統合方向に最大反応を示す細胞(統合細胞)が存在した。以上の結果は、MT野では、視覚フローに関する情報統合は行われておらず、MST野においてはじめて視覚フローの統合がなされる可能性があることを示唆している。 (2)MT野およびMST野における順応特性と運動残効知覚の神経機構について 順応刺激呈示に伴い、MT野およびMST野細胞の視覚フローに対する反応特性がどのように変化するかを調べた。さらに、順応刺激呈示後の自発放電頻度の変化をMT野細胞とMST野細胞とで比較したところ、MT野、MST野ともに最適方向への順応刺激で減少、逆方向への順応刺激で増加した。また、順応刺激後の自発放電頻度の時間経過と運動残効の持続時間との間には明確な対応関係が見られた。 (3)順応刺激による広視野運動知覚の変化とその回復過程に関する心理物理的研究 順応刺激呈示後、運動知覚感度および運動残効知覚が順応刺激後に短時間与えるキャンセル刺激の呈示時間および運動方向にどのように依存するかを調べた。その結果に基づき、MST野細胞間の神経連絡について検討した。
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Research Products
(2 results)