2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500106
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中井 孝芳 静岡大学, 工学部, 助教授 (90109132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
党 建武 北陸先端科学技術大学大学院, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
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Keywords | 鼻孔放射 / 有声破裂音 / バズ音 / 軟口蓋 / 軟口蓋の調音モデル / 個人性 |
Research Abstract |
本研究では、鼻孔放射を観測しモデル化するとともにその個人性について検討することを目的とした。一つは、鼻孔放射を観測して、個人性について検討した。まず、無響室にて、被験者は鼻壁に小型加速度計を装着し、プローブ・マイクロホンを鼻孔の近くに、また、胸部の前にコンデンサ・マイクロホンをおく。さらに通常のコンデンサ・マイクロホンを口唇から1メートルの位置におき、これら4入力をA/D変換器を通してパソコンに録音した。音声資料は、鼻音/ma/、/na/および/VCV/(V=/a/、/i/、/u/、/e/、C=/b/、/d/、/g/、/p/、/t/、/k/)で、男性話者10名である。これらをデータベースとした。波形を観測し、母音/i/や有声破裂音のバズでは、鼻孔放射が大きいことを観測した。エネルギーの分析結果より、/b/、/d/、/g/では全体の20%から70%は鼻孔放射であり、個人差も大きいことを明らかにした。 他方、計測データに基づいて軟口蓋の調音モデルを構築し、鼻音化音声を合成するため、これまで各音素環境での鼻音化と非鼻音化音声を発話するときの、口唇音、口腔内音圧、鼻腔内音圧及び軟口蓋の振動の同時計測を行った。計測データの分析により、発話時、軟口蓋の状態(硬さ)は話者の制御による能動的な変化成分と、口腔内の音圧による非能動的な変化成分があることを明らかにした。これらのメカニズムを考慮にいれて軟口蓋モデルの構築を検討している。
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Research Products
(1 results)