Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 義雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (20150675)
上條 正義 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70224665)
乾 滋 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10356496)
細谷 聡 信州大学, 繊維学部, 助手 (40293500)
堀場 洋輔 信州大学, 繊維学部, 助手 (00345761)
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Research Abstract |
既存のケア衣料の問題点を明らかにするため,乳房切除者用入浴着について患者および製品開発者から聞き取り調査を行った.その結果個人対応が必要な項目として,個人の体形と被覆したい患部の状況があり,これらについては,対面的に聞き取りが必用であることが分かった.また,レンタル用としては,サイズバリエーションで対応することが望ましいことが分かった.個人対応設計のためには,人体の三次元計測が有効であるが,着用者の心理的負担を軽減するためには,簡易な測定あるいは自己申告寸法から,三次元ボディを生成することができる望ましく,そのために健常者の姿勢特徴を考慮した仮想人体ボディの開発を行った.そのボディから個人の患部状況に応じた乳房切除者のボディ開発を進めている. 胸部被服設計に関する資料を収集するとともに既存の入浴着の型紙を作成し,個人対応のための型紙設計上の必用寸法を抽出した.また,健常な女子10名に素材と色の異なる入浴着を着用する入浴実験を行い,素材と構成の問題点を検討した.その結果,体形によりフィット感が異なり,胸部のダーツと個人の胸の形状を合わせることが有効である事がわかった.また,素材の要件として,透けない,重くならない,肌への貼り付きがない,入浴後冷えない,他者に違和感を与えないことが重要であることがわかった.透けと違和感は布地と肌の色に依存するため,乾燥時と湿潤時の布の色を測定した.その結果,湿潤により明度と彩度が低下すること,透けは生地の空隙率に依存することが分かった.これに応用するためニット生地の透けの評価・予測法を開発した,空隙率を下げると布の含水率が上がり,重くなることから,薄地の生地を2枚重ねて用いることが透け防止と入浴時快適性に対して有効であった.また,湿潤時の肌への貼り付きが素材の課題であることが示された.素材の湿潤時の貼り付きについて客観評価手法の開発が必要である.
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