2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500145
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 守 高知工科大学, 工学部, 教授 (90309724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠森 敬三 高知工科大学, 工学部, 教授 (60299378)
|
Keywords | 視覚心理物理学 / 色覚 / 面積効果 / 色の見え / 画像の観察 / 色覚メカニズム |
Research Abstract |
研究目的:デザインや建築の分野では「色の面積効果」という色彩効果が経験的に良く知られている。これは,ある色の空間に占める面積が増大するにつれて,見えの彩度および明度が上昇する現象である。よって画像における色は,JIS規格の定める色度座標のみで一意に決められないことになる。この面積効果の特性を定量的に把握していれば応用的に有用であり,さらに色の面積効果の要因を調べることで,人間の色覚情報処理の解明を目指すことを目的とする。 研究内容と実績:本年度の研究実施分は,第1段階「色の面積効果の定量化」と第3段階「眼球運動が色の面積効果に与える影響」に関連する眼球運動の効果の検証,および当初は第4段階として予定されていた「人間の視覚特性に基づいた色の面積効果のモデル化」の一部作成である。 心理物理学的手法を用いて,色の面積効果の定量的なデータを収集した。測色的に等しいが面積が異なる単一色の一対の視覚刺激を呈示し,被験者はマッチング刺激の色の見えがテスト刺激と同じになるように調整した。2つのCRTディスプレイを使用し,マッチング刺激は,大面積のテスト刺激とは別のディスプレイ上に呈示した。実験は調整法で行い,観察時間の制限は特に設けず,日常的に色を観察するような自然な状況で実験を行った。テスト刺激の各面積におけるマッチング結果の輝度・色度の平均値とテスト刺激の輝度・色度との偏差から,明度方向と彩度方向の面積効果の大きさを求めた。なお,明度の増減は輝度の増減,彩度の増減はCIEL^*U^*V^*均等色空間上における等エネルギー白色点からの距離の増減で評価した。 現在までの実験及び分析の結果において,予想通り,面積効果としての輝度と彩度の上昇が見られた。ただし,面積効果には色相に対する依存性を観察した。現在,色覚メカニズムを考慮したモデルにより,定量的な面積効果の予測が可能であるかどうか検討中である。この解析を継続し,さらには,第2段階である「色の面積効果の空間・時間特性の検討」についての実験を平成17年度に実施する。
|
Research Products
(9 results)