2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス時代のIC技術導入の経済効果に関する研究
Project/Area Number |
16500152
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
篠崎 彰彦 九州大学, 大学院経済学研究院, 教授 (00315045)
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Keywords | ユビキタス / 情報化 / 情報家電 / 経済効果 / 情報化投資 / 放送と通信の融合 / 情報ネットワーク産業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ユビキタス時代という情報化の新たな段階に迎えつつある中で、日本のIC技術導入の経済的効果がどのようなものであるかを多面的に分析し、1990年代に米国と明暗を分けた日本経済の可能性を再検討することにある。特に、実用化が本格化するとみられる技術について、(1)導入に伴う効率性や利便性の向上によって、利用者(導入者)側のメリットがどの程度であるか、また、(2)IC技術への需要が関連産業への波及効果を伴って、生産や雇用などの拡大にどの程度寄与するかを多面的に検討する。 最終年の平成18年度においては、平成16年度および17年度に実施した研究の成果をもとに、内外の研究者、実務家、政策関係者との討論、意見の聞き取り調査を精力的に行うと同時に、研究成果の全体のとりまとめ作業を集中的に行った。特に、これまでの分析結果に基づく著作物および研究報告等による情報発信に関しては、本研究が平成18年度をもって閉鎖的に完結してしまうのではなく、今後さらに発展していく基盤となるよう、学術界のみならず実業界、政策当局、言論界など、幅広い領域で多面的に取り組んだ。具体的には、研究成果の一部を著書や論文として学術向けに公刊すると同時に、経済・経営関係の日刊紙(日本経済新聞、生産性新聞等)への寄稿、および、実業界や政策当局からの参加者も可能なシンポジウムや研究会での報告、あるいは、個別の会議等によって多方面に発信し、社会的に広範な議論を喚起するための取り組みを精力的に行った。 一連の研究活動を通じて、ユビキタス化、モバイル化、ブロード・バンド化によって、ICTをとりまく環境は1990年代とは異なる新展開がみられると同時に、生産性問題にみられるように、1990年代から引き継がれた課題が形を変えつつも依然として重要なテーマであること、および、ユビキタス時代とともに少子高齢化と人口減少社会を迎えた日本経済にとって、IC(集積回路)技術を体化したICT(情報通信技術)の劾果的な利活用が経済活力の維持・向上にとつで極めて重要なテーマであることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)