2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク環境における図書館の存在意義と社会的機能の理論化
Project/Area Number |
16500156
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
戸田 愼一 東洋大学, 社会学部, 教授 (10183493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (80232891)
影浦 峡 東京大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (00211152)
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Keywords | 図書館 / 印刷メディア / ネットワークメディア / 数理モデル / 近代社会 |
Research Abstract |
ネットワークメディアの普及により、情報流通と知識蓄積の機制は著しく変容し、図書館の社会的機能は縮小せざるをえない。本研究は、以下の4点を明らかにすることで、図書館の存在意義と社会的機能を理論化する。(a)印刷メディアに特権的に依拠している近代図書館の存立を支える諸要件、 (b)印刷メディアと特権的に結びついている近代社会におけるコミュニケーションの構成、(c)非印刷メディアの出現が、印刷メディアの意義と機能、および近代図書館の意義と機能に与えた影響、(d)ネットワークメディアと既存の印刷/非印刷メディアとの相違点と共通点、および3者の依存関係。 平成18年度は、16、17年度の成果を踏まえて、上記(d)を最終目標として以下の研究を行った。 ・近代図書館のモデル化とネットワーク環境における変容予測 近代図書館の概念と実際の組織の存立要件を支える印刷メディアの構造のモデル化を行い、ネットワーク環境ではそのモデルのどのような側面が構造的に変容するかを予見し、近代図書館がネットワーク環境でどのように変容せざるを得ないかを分析した。 ・非印刷メディアの特性と影響の分析 テレビ、ラジオ、その他の非印刷メディアが、近代図書館の社会的機能に及ぼした影響を踏まえて、ネットワークメディアの性質が、社会の情報流通、知識蓄積のあり様にどのような影響を与えるかを、既存の印刷/非印刷メディアとネットワークメディアとの差異と同一性の観点から分析した。 ・ネットワーク環境における図書館的機能モデルの構築 ネットワーク環境での図書館の社会的な意義と機能のモデルを「変容の可能性の要件をめぐるモデル」として構築し、これにより、図書館の今後を積極的に生かすような図書館側からの社会的関与について、また、ネットワーク情報資源の活用をさらに促すような「図書館的役割」モデルについて分析した。
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Research Products
(2 results)