2004 Fiscal Year Annual Research Report
ブートストラップ法・非線形最適化法等による複雑なデータからの情報抽出の研究
Project/Area Number |
16500171
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田栗 正章 千葉大学, 理学部, 教授 (10009607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 潤一 千葉大学, 理学部, 教授 (30092076)
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
汪 金芳 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10270414)
桜井 裕仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00333625)
中村 勝洋 千葉大学, 理学部, 教授 (10344962)
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Keywords | 経時的データ / 2曲線の差の検定 / ブートストラップ検定 / 面積検定統計量 / 差の絶対値統計量 / 差の2乗和統計量 / Hall&Hartの統計量 / 検定のサイズと検出力 |
Research Abstract |
本年度は、主として複雑なデータに対するブートストラップ推論についての研究を行った。具体的には、対になった2組の縦断的データを取り上げ、それらの平均曲線間に全体として差があるか否かを調べるための種々のブートストラップ検定法を提案した。また数値実験を行い、各種の検定法の性質について詳細に検討した。対象とした検定統計量は、2曲線間の面積、2曲線の差の絶対値の和・2乗和である。また比較のためにHall&Hartの統計量も対象とした。リサンプリングは、中心化した残差に対してムービング・ブロック・ブートストラップ(MBB)法を適用する方法により行ったが、比較のためにナイーブなブートストラップ(NB)法も適用した。シミュレーションでは、人工衛星と地上の流星レーダーによって測定された高度80〜90kmでの風速データを想定し、残差に1次の相関をもつ人工データに対して計算を行った。各種の検定法(4種類の検定統計量と2種類のリサンプリング法のすべての組合せ)に対して、種々のシミュレーション条件(2種類の検定のサイズ,10種類のブロック長,3種類の相関)の下で、検定のサイズと検出力を計算した。 その結果、次のような知見を得ることができた。(1)MBB法において最適な検定のサイズを与えるブロック長は、Hall等の統計量の場合にはかなり長いが、提案した統計量の場合には2〜3と短い。(2)提案した統計量に対しては、検定のサイズは名目上の値と近いが、Hall等の統計量の場合には名目上の値を下回る場合が多い。(3)ほぼすべての場合について、提案した統計量による検定の検出力は、Hall等の統計量による検定の検出力よりもかなり高い。(4)提案した統計量の中では、面積統計量の場合の検出力が最も高く、次に2乗和統計量の場合であった。(5)Hall等の統計量については、相関が小さい場合にはMBB法の検出力が高く、相関が大きい場合にはNB法の検出力が高い。
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Research Products
(11 results)