2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブートストラップ法・非線形最適化法等による複雑なデータからの情報抽出の研究
Project/Area Number |
16500171
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
田栗 正章 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10009607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
汪 金芳 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10270414)
櫻井 裕仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00333625)
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Keywords | 縦断的データ / 2曲線の差の検定 / ブートストラップ検定 / 混合ブロックリサンプリング / 並べ替え検定 / 総合試験 / 正準相関分析 / 2次の制約条件 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の最終年度であり、次の3種類の研究を行った。すなわち、(A)ブートストラップ同等性検定についての研究、(B)ブートストラップ推論・複雑な実際データの解析についての研究、および(C)パラメータ推定の非線形最適化問題とその安定性についての研究、である。 まず(A)については、前年度までに提案した各種の統計量・検定方法等を踏まえて、2組の縦断的データの平均曲線間に全体として差があるか否かを調べる新たな検定方法を提案した。具体的には、ブロック・リサンプリングによりリサンプルを構成し、近似的に並べ替え検定を行う方法である。数値的検討によれば、提案した混合ブロック・リサンプリング法は、データ間の相関が弱く、標本数がかなり小さな場合でも、検定のパワーがかなり高くなる等の知見が得られた。また(B)については、論理的思考力、推論・分析力、読解・表現力等の総合的な能力・資質の測定を目的として開発された、教科・科目フリー型の総合試験で測定している能力について、因子分析等を用いた情報抽出の研究を行った。その結果、第1部「情報把握・論理的思考力」の試験では、情報処理・数理的素養という因子の寄与が、また第2部「コミュニケーション・読解・表現」の試験では、読解力・表現力という因子の寄与が大きいことが判明し、作成された総合試験により、意図した能力の測定がある程度まで可能であることが判明した。次に(C)については、2組みの変数群のそれぞれに2次の制約条件が付いている場合の、正準相関分析の最適解についての研究を行った。その結果、前年度までの研究で得られた、重回帰分析の場合の同種の問題に対するアルゴリズムを反復して適用することにより、正準相関分析の場合においても最適解が得られることが判明した。またこの反復は、有限回で収束することも分かった。
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Research Products
(8 results)