2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 永友 札幌学院大学, 経済学部, 教授 (70207900)
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Keywords | 混合分布モデル / 欠損分布モデル / プラズマ速度データ / Geotail衛星 / 時空間モデル |
Research Abstract |
人工衛星で観測される磁気圏プラズマの速度分布は,3次元正規分布(Maxwell分布)でその状態を表現できる.技術革新により精密な速度分布を高時間分解能で測定でき,熱平衡状態に緩和していない複数のプラズマ分布が観測されるようになってきた.地球物理学の分野では,2成分以上が部分的に重なる複雑な分布の形状を分離することは困難な問題で,数多くの観測例を扱うに至っては,より一層深刻な問題となっていた.このデータは日々刻々とGeotail衛星から送信されてきており,これらの問題解決と実用的なソフトウェアが要請されている. 本研究は,時空間データであるプラズマ粒子速度データを統合的に分析することが目的で,これまでの分析で不自然であった成分分布の時間的「動き」の物理的解釈をより明確にすることである.データ解析では「モデル構築」と「データの正則化」に関して様々な問題が存在する.分析全体の整合性を考慮し,様々なアプローチで各問題を解決し,最も効果的かつ物理的解釈が妥当なものを見つけ出す.その後「時空間モデル」として統合し,ラフなモデル(リアルタイム分析)から精確なパラメタ推定までの一連の分析の流れを確立する.このとき「現実問題の解決」と「理論」の間のバランスが重要な視点で,これを調整しながら「実用ソフトウェア」開発を行う. これらの問題点のうち,平成16年度は空間内の欠損領域に関する問題を扱った.観測機器の性能により空間内に解析上無視できない観測不能領域があるため,これのモデル化を行った. 欠損状況を2種類のモデルで提示し,欠損数が未知という条件下でこれらが同値のモデルであることを示した.これを基礎として,欠損状況を考慮した欠損混合分布モデルを提案し,パラメタの推定方法や欠損領域で観測されたと思われるデータ数を推定する方法を提案した.数値実験を通してモデルの妥当性を検証し,プラズマ速度データへの適用を行った.これらを「応用統計学」に現在投稿中である.
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