2005 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの糖鎖多様性と網膜軸索路形成における機能特異性
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16500191
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
一條 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (40272190)
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Keywords | 網膜 / 網膜視蓋投射 / 軸索路形成 / 視索 / chronological sorting / コンドロイチン硫酸 / 軸索 / 成長円錐 |
Research Abstract |
ニワトリ網膜視蓋投射において終脳由来コンドロイチン硫酸(CSs)は網膜神経節細胞の軸索伸長を抑制性に制御する。CSsはAからEのユニット構造の組み合わせによる多様な構造を呈する。MO-225モノクローナル抗体によって認識されるCSsは(1)胚の網膜軸索路を取り囲むneuropilに高密度で存在し、(2)網膜軸索路を取り囲むneuropilに接して視索の深層を走行する網膜軸索の細胞膜外表面に提示されていた;MO-225によって認識される特定のCSが網膜軸索路の境界の設定と、視索内部に認められる発生段階に依存した網膜軸索の層状の走行(chronological sorting、初期に走行する軸索は視索の深層を、後期に走行する軸索は視索の浅層を走行する)に関わることを示唆した。 CSの構造多様性を解析するために、AからEユニットをそれぞれ濃縮した脂質誘導体(CSs-PE)を疎水的に吸着させたビーズ(CSビーズ)を作成した。CSビーズのフローサイトメトリーを行い、MO-225の抗原特異性を検討したところ、D,E,またはCユニットを豊富に含むCSビーズに強い結合を示し、これらを豊富に含むCSが網膜軸索路形成とchronological sortingに関わることを示唆した。それぞれのCSビーズを培養基質上に散布し、網膜成長円錐がCSビーズに遭遇する際の行動をタイムラプス観察した。CおよびDユニットを多く含むCSビーズは成長円錐の行動に大きな影響を与えなかったが、Eユニットを多く含むCSビーズはおよそ一割の成長円錐の大きな行動変化を引き起こした;しかしながら、およそ九割の成長円錐に大きな変化を引き起こさなかった。Eユニットを多く含むCSに対する成長円錐の感受性には多様性が有り、視索における網膜軸索のchronological sortingと関係すると考えられる。
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Research Products
(1 results)