2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経特異的RNA結合タンパク質Huの神経分化誘導機序の解析
Project/Area Number |
16500206
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡野 ジェイムス洋尚 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90338020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
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Keywords | Hu / RNA結合タンパク質 / 傍腫瘍性脳脊髄症 / 翻訳調節 / 神経分化 / hnRNP K / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
我々は以前に神経特異的RNA結合タンパク質Huが哺乳類神経幹細胞およびPC12細胞において細胞周期抑制能および神経分化促進能を持つことを示した。さらにHuが、CDK抑制因子p27およびp21の発現を転写後調節によって正に制御することが、その分子メカニズムの一つであることを強く示唆する知見を得ていた。その分子メカニズムを解析するために、HuBと複合体を形成するタンパク質の検索を行った。組み換えアデノウイルスによる強制発現系を用いて培養細胞株および培養神経幹細胞からHuBと複合体を形成する因子の精製し、これらの蛋白質のバンドを切り出しMALDI-TOF MASSによる質量分析を行った結果、その一つがhnRNPK(RNA結合タンパク質)であることが明らかとなった。生化学的手法によりhnRNPKはHuに直接結合していることが確かめられた。特にhnRNPKに関して細胞周期および神経分化に与える影響を調べた結果、hnRNPKはHuBに結合するのみならず、Huの細胞周期抑制機能および神経分化促進機能の両方を量依存的に阻害することがわかった。さらにHuの下流標的分子でありHuによりタンパク質発現が促進されることが知られるp21CIP1mRNAの翻訳に対しても、hnRNPKが抑制的に働くことが示された。次にHuDノックアウトマウスを作成し解析した。HuDノックアウトマウスは胎生期に三叉神経の発達に異常が認められる上、成体マウスは失調様運動障害を呈し、野生型に比べ寿命が短いことが明らかとなった。またNeurosphere法によりマウス胎児脳からの神経幹細胞を特異的に経代培養し、その分裂能および分化能を解析した結果、野生型と比較してノックアウトマウス由来神経幹細胞は自己複製能の増強が見られ、逆に神経分化能が低下していることが明らかとなった。さらにBrdU/IdU二重標識法によりマウス胎児大脳皮質における分裂細胞プロファイルを詳細に調べたところ、ノックアウトマウスにおいては分裂休止細胞の数が減少し、逆にゆっくりと分裂する細胞が増加しており、in vivoにおいてもHuDが細胞周期を抑制し神経分化を促進する機能を持つことが示された。
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Research Products
(6 results)