2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経特異的RNA結合タンパク質Huの神経分化誘導機序の解析
Project/Area Number |
16500206
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡野 ジェイムス洋尚 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90338020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
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Keywords | Hu / 神経分化 / 神経幹細胞 / 翻訳調節 / RNA結合タンパク質 / hnRNP K / 遺伝子改変動物 / 傍腫瘍性脳脊髄症 |
Research Abstract |
我々は、転写後調節によって細胞分裂および神経分化プロセスを制御するRNA結合タンパク質Huファミリーの機能解析を行ってきた。マウス胎児終脳への電気穿孔法によりHuが神経幹細胞において細胞周期を抑制し神経分化を促進する機能を持つことを示した。Huの機能の分子機序を明らかにするために、組み換えアデノウイルスによるHu強制発現系を用いてHuと複合体を形成する因子の精製を試み、少なくとも複数のタンパク質(hnRNPF(RNA結合タンパク質)、NF45(RNA結合タンパク質複合体サブユニット)など)が全長HuとRNA非依存的に結合することを明らかにした。また生化学的手法によりhnRNPKおよびNF45はHuに直接結合していることが確かめられた。特にhnRNPKに関して細胞周期および神経分化に与える影響を調べた結果、hnRNPKはHuに結合するのみならず、Huの細胞周期抑制機能および神経分化促進機能の両方を量依存的に阻害することがわかった。さらにHuの下流標的分子でありHuによりタンパク質発現が促進されることが知られるCDK抑制因子p21CIP1mRNAの翻訳に対しても、hnRNPKが抑制的に働くことが示された。これらの結果は、神経幹・前駆細胞の分裂から神経分化へのスイッチングが、拮抗的に働く二つのRNA結合タンパク質によって制御されていることを示している。またHuDのノックアウトマウスは胎生期に三叉神経の発達に異常が認められる上、成体マウスは失調様運動障害を呈し、野生型に比べ寿命が短いことが明らかとなった。また野生型と比較してノックアウトマウス由来神経幹細胞は自己複製能の増強が見られ、逆に神経分化能が低下していることが明らかとなった。さらにBrdU/IdU二重標識法によりマウス胎児大脳皮質における分裂細胞プロファイルを詳細に調べたところ、ノックアウトマウスにおいては分裂休止細胞の数が減少し、逆にゆっくりと分裂する細胞が増加しており、in vivoにおいてもHuが細胞周期を抑制し神経分化を促進する機能を持つことが示された。
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Research Products
(4 results)