2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規延髄呼吸性ニューロングループ(傍顔面呼吸グループ)の実体と起源の解明
Project/Area Number |
16500208
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 助教授 (30177258)
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Keywords | 呼吸中枢 / 延髄 / ラット / リズム形成 / 顔面神経 / 中枢化学受容 / 光学的測定 / in vitro |
Research Abstract |
本研究の目的は,新規の延髄呼吸性ニューロングループ(傍顔面呼吸グループ,pFRG ; Onimaru & Homma,2003)の細胞レベルでの実体(分布・形態,、生理学的・薬理学的性質など)及びその役割を明らかにすることにある.このため,ホールセル記録法による電気生理学的解析,及び膜電位感受性色素を用いた光学的測定法による活動パターンの解析を行った.電気生理学的解析により,以下のことが明らかとなった.1.顔面神経核レベルの延髄腹側表面近傍(脳軟膜直下)に吸息先行型(Pre-I)ニューロンが存在することが明らかとなった.2.ルシファーイエローで標識されたニューロンの観察により,細胞体は紡錘形あるいは小型球形で,樹状突起は腹側表面にそって,内側・外側方向に伸びていることがわかった.3.比較的少数のニューロンが,軸索をより尾側の同側腹外側延髄に投射すると考えられた.4.これらのニューロンはコントロール条件及びTTX存在下で高CO2あるいはSubstance Pに対して脱分極性の応答を示した.5.これらの表層ニューロンのバースト活動は,光学的測定において腹側表面から観察される蛍光強度変化の主なシグナル源になりうると結論された.6.また,その特異な存在様式が,これらのニューロンの電気生理学的記録を困難にしている理由であると考えられた.さらに低酸素負荷時の腹側延髄全体の呼吸性ニューロンの活動パターンを光学的測定法により解析したところ,pFRGの吸息に先行する神経活動は,低酸素によって強く抑制されることが,明らかとなった.以上,pFRG-Pre-Iニューロンは一次呼吸リズム形成および中枢化学受容に重要な役割を果たす可能性があることが示唆された.
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Research Products
(6 results)