2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規延髄呼吸性ニューロングループ(傍顔面呼吸グループ)の実体と起源の解明
Project/Area Number |
16500208
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 助教授 (30177258)
|
Keywords | 呼吸中枢 / 延髄 / ラット / リズム形成 / 顔面神経 / 中枢化学受容器 / 光学的測定 / in vitro |
Research Abstract |
本研究の目的は,新規の延髄呼吸性ニューロングループ(傍顔面呼吸グループ,pFRG ; Onimaru&Homma,2003)の細胞レベルでの実体(分布・形態,生理学的・薬理学的性質など)及びその役割を明らかにすることにあった.本研究期間内に明らかになったことは以下のとおりである.1)pFRGは主にPre-1ニューロンにより構成される.2)pFRG-Pre・1ニューロンは顔面神経レベルの延髄吻側部では脳軟膜直下に細胞体が存在する.3)pFRG-Pre-1ニューロンの活動はμ-opiate agonistであるDAMGOによって,抑制されない.4)pFRG-Pre-1ニューロンの活動は,顔面神経活動に反映される.5)pFRGとpre-B6tzingercomplex(PBC)の間で,延髄を切断すると,適当な実験条件下ではそれぞれのブロックは自発リズム活動を形成しうる.6)これらの自発リズム活動はそれぞれ,pFRG-Pre-1ニューロン及びPBC-吸息性ニューロン活動をあらわしている.7)pFRG-Pre-1ニューロンのリズムは,高カリウム濃度,持続型Na+チャネルブロッカーriluzole,低CO2などにより抑制されるのに対し,PBC-吸息性ニューロン活動はおおむねこれと反対の性質を示した.9)正中線で延髄を半切したときに,pFRG-Pre-1ニューロンの活動は左右別々のリズムで持続するが,PBC-吸息性ニューロンの活動は停止した.以上のように,本研究は,pFRG-Pre-1とPBC-吸息性ニューロンのリズム形成の機構が本質的に異なることを明らかにし,pFRG-Pre-1ニューロンの活動は,通常あるいはそれ以下の外液カリウム濃度の条件において呼吸の基本リズムを決定している事を示唆した.
|
Research Products
(6 results)