2004 Fiscal Year Annual Research Report
鼻から脳へ移住するLHRHニューロンの移動と定着に関する研究
Project/Area Number |
16500227
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
村上 志津子 順天堂大学, 医学部, 助手 (20255649)
|
Keywords | LHRH(GnRH)ニューロン / ニューロンの移動 / ブロモデオキシウリジン / 移動経路 / ニワトリ胚 / 視床下部 |
Research Abstract |
視床下部に多く分布するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRHまたはLHRH)産生ニューロンは脳外の鼻プラコードで発生し、脳内へ移動して中隔-視索前野-視床下部に定着する。ニワトリ胚では、脳内に進入したLHRHニューロンは、嗅球腹内側部から背尾側方向へ向かう経路と、この経路の終点近辺で腹側の視索前野へ向かう2つの経路をたどる。予備的にプロモデオキシウリジン(BrdU)による誕生日時の標識を行った結果、早生まれのLHRHニューロンは中隔-視索前野の全領域に分布するのに対し、遅く生まれたLHRHニューロンは背側の中隔領域には分布するものの、腹側の視索前野には分布しない傾向が見られた。この現象を明らかにするため、ひとつはBrdU投与が特定の時期のLHRHニューロンを標識しているかどうか実験方法の妥当性の確認と、ひとつは誕生日時と定着部位の関係を定量化することを行った。BrdUと^3H-thymidineの追いかけ投与実験では、E2.5でBrdUを取り込んだLHRHニューロンはE5.5における^3H-thymidine投与で標識されず、E2.5とE5.5生まれはBrdU投与によって特定化できることがはっきりした。E2.5でのBrdUラベルは24時間後でも体内に残存して取り込まれることがわかったため、誕生日時と定着部位との詳細な相関関係を調べるには他の方法を用いる必要があることが判明した。また、発生の進んだE5.5-E6.5でのBrdU取り込み量に個体差があることと、E11.5-E18.5でのBrdU/LHRH免疫反応性にばらつきが大きいことから、定量解析に支障が生じた。このため、技術的な改善を行った結果、電子レンジの使用などにより免疫反応の増強が可能であることがわかった。E2.5生まれとE5.5生まれのLHRHニューロンの数を領域別にカウントする定量化の実験を継続中である。
|