2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜ラフト調製法を用いたアミロイド前駆体蛋白質代謝調節機構の研究
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16500232
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
櫻井 隆 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (70225845)
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Keywords | アミロイド / アルツハイマー病 / 膜ラフト |
Research Abstract |
アミロイド前駆体蛋白質(APP)集積ラフトの構成蛋白質解析を基に細胞内輸送と関連したAPP-セクレターゼ相互作用の膜ラフトにおける調節機構を明らかにすることを目的に研究を行った。 1.膜ラフトにAPPとともに集積する細胞内輸送関連蛋白質のAPP代謝制御への関与 マウス脳trans-Golgi network(TGN)分画から膜ラフトを調製し、APP抗体を用いた免疫沈降によりAPP集積膜ラフトを単離した。抗体により脳組織由来APP集積膜ラフトの構成蛋白質と比較し、細胞内輸送関連蛋白質を見出した。その変異体を神経系株化細胞に発現させたところAPP代謝の変化が引き起こされ、細胞内輸送関連蛋白質のAPP代謝制御への関与が示された。 2.膜ラフトにおけるAPP-セクレターゼ相互作用の細胞内輸送関連蛋白質による制御機構解析 近接分子間の蛍光エネルギー移動(FRET)を利用して、APP-セクレターゼ相互作用ドメインを可視化する計画であったが、抗体による凝集を利用し細胞表面の相互作用を検出するcopatching法に変更して解析を行った。上記細胞内輸送関連蛋白質変異体の発現により、膜ラフトにおいてAPP代謝変化と対応したAPP-セクレターゼ相互作用の変化が示された。細胞内コレステロールを減少させた場合には上記細胞内輸送関連蛋白質のAPP-セクレターゼ相互作用への効果は消失し、膜ラフトの脂質環境の重要性が示された。 以上より、細胞内輸送と関連した膜ラフトにおけるAPP代謝制御機構が示された。その分子機構の詳細の解明は今後の課題である。
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