2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Aβ42によって誘導される神経細胞死関連遺伝子群の網羅的解析
Project/Area Number |
16500233
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
内田 洋子 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 主任研究員 (60133633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 不二也 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 研究員 (40205620)
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Keywords | βアミロイド / 細胞内Aβ / 神経細胞死 / 細胞死関連遺伝子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、神経細胞内に蓄積されたAβがどのような遺伝子群を誘導するのかを解析し、神経細胞死誘導の分子機構を明らかにすることである。そこで、本年度は、神経細胞内に過剰発現させたAβに細胞毒性があるのか、その経時変化を調べた。Aβを含むAPP-CTFβ(APPのC末端断片)の5‘端にflag-tagを、APP-CTFβの3‘端にmyc-tagを付加したcDNA constructsと、APP-CTFβ-mycの下流にIRES-hrGFPをつないだcDNA constructsを作製し、それぞれを初代培養神経細胞に導入した。遺伝子導入16時間後に、無血清培地に換え、さらに6、1、24時間培養し、Hoechst33342で核染色して細胞死を判定した。また、遺伝子導入の有無はanti-flag、anti-myc抗体による免疫染色、GFP蛍光により判定した、その結果、flag-APP-CTFβ、およびAPP-CTFβ-mycを導入した細胞では、無血清培地に交換6時間後、すでに約1/3の神経細胞に細胞死が認められ、24時間後にはtag陽性細胞はほとんどの見られなくなった。APP-CTFβ-myc-IRES-hrGFPを導入した神経細胞でのmyc tagおよびGFPの蛋白発現の経時変化を調べたところ、myc tagはGFPに比べ早く発現し、早く消失した。つまり、APP-CTFβ陽性細胞とGFP陽性細胞が必ずしも一致しなかった。しかし、hrGFP蛍光を指標とし、血清除去後24時間での神経細胞死を調べたところ、anti-myc抗体による免疫染色の場合と同様に、APP-CTFβ-myc-IRES-hrGFPを導入した細胞で細胞死の促進が認められた(IRES-hrGFPのみを導入した細胞でも細胞死の促進が認められたが、APP-CTFβを導入した細胞での細胞死促進の程度の方が大きい)。そこで、遺伝子導入16時間後に、神経細胞を剥がし、セルソーターにてhrGFP陽性細胞を集めて培養した。しかし、ソーティングに時間がかかることと、APP-CTFβの毒性のため、培養後24時間生き残る細胞は少なく、RNA調製には至らなかった。現在、セルソーターよりも短時間に目的の細胞を集めることができるMACSelectによる細胞分離を検討している。
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