2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内AB42によって誘導される神経細胞死関連遺伝子群の網羅的解析
Project/Area Number |
16500233
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
内田 洋子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (60133633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 不二也 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40205620)
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Keywords | βアミロイド / 細胞内Aβ / 神経細胞死 / microarray |
Research Abstract |
神経細胞内に蓄積されたAβがどのような遺伝子群を誘導するのかを解析し、神経細胞死誘導の分子機構を明らかにするのが本研究の目的である。昨年度までに、APP-CTFβ(C99)によって発現誘導される遺伝子23種類と、発現抑制される遺伝子23種類をMicroarrayによって同定した。今年度は、そのうち、10種類の遺伝子について、その発現誘導の確認をQRT-PCRによって試みた。しかし、実験間でのばらつきや、対照の取りかたによるばらつきが大きく、有意な発現誘導は確認できなかった。実験間でのばらつきは、遺伝子導入効率の低さに起因すると考えられたため、遺伝子導入試薬を再検討した。対照の取りかたによるばらつきに関しては、QRT-PCRのための対照として、mycのみ、または、細胞死を起こさせないΔ126MAP1Bを遺伝子導入した神経細胞を用いたが、mycのみを導入した細胞とΔ126MAP1Bを導入した細胞の間にも遺伝子の発現変化が見られることがあった。そこで、APP-CTFβ(C99)の対照として、APP-CTFβ(C83)を検討した。APP-CTFβ(C99)はBACE1による6-cutとγ-secletaseによるγ-cutによって、Aβと膜結合性のAICDγ(分解されにくい)を生じるため、この膜結合性のAICDγが細胞死を引き起こしている可能性が高い。それに対し、APP-CTFβ(C83)はγ-secletaseによるε-cutとα-secretaseによるα-cutを受け、p3とAICDεを生成するが、AICDεは速やかに分解されることがわかっているためである。現在、APP-CTFβ(C83)constructionが終わり、APP-CTFβ(C83)導入細胞に細胞死が認められないことを確認しているところである。それを確認後、再度Microarrayによる解析を行う予定である。
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