2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成のキー分子であるG蛋白質の活性化イメージングによる立体的解析
Project/Area Number |
16500242
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 岳史 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (60362604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 量雄 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (40333504)
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Keywords | 神経回路 / Rhoファミリー / Rasファミリー / 成長円錐 / FRET / RNAi |
Research Abstract |
FRETプローブとRNAi法により、PC12細胞でのNGFによる突起伸展過程の解析を行い、PI3キナーゼ、Vav2/Vav3、Rac1/Cdc42によるフィードバックループが先端部で局所的に働いていることを明らかにした。PC12細胞をNGFで刺激すると、PI3キナーゼ、Rac1、Cdc42はまず細胞周辺部で一過性に活性化され、その後、突出部で局所的な活性化を繰り返す。Vav2とVav3のノックダウンにより、NGFによるRac1とCdc42の活性化、突出部形成、突起伸展が阻害された。またNGF刺激によりVav2/3は細胞膜に移行し、その移行はPI3キナーゼ阻害剤で抑制される。従って、PI3キナーゼにより作られたPIP_3がVav2/3を細胞膜にリクルートして活性化し、そのVav2/3がRac1/Cdc42を活性化する。一方、Vav2とVav3をノックダウンすると、NGF添加後に突起先端で見られたPI3キナーゼ活性化が抑制される。また、恒常活性化型のVav2とVav3の発現によりPI3キナーゼの活性が上昇する。これにより、突起先端部でVav2/3により活性化されたRac1とCdc42がPI3キナーゼを活性化することがわかった。突起先端でのシグナル分子のフィードバックループによる形態変化というモデルは、成長円錐伸展の研究に広く応用できる可能性がある。 成長円錐でのRhoファミリーの活性制御について、後根神経節細胞でのFRETイメージングを行い、RhoA活性がP-domainで高く保たれることを見出した。このRhoAの高い活性は伸展時にも保たれており、成長円錐の形態維持へのRhoAの関与が示唆される。 軸索極性決定には、Rhoファミリー、Rap1、PI3キナーゼの関与が言われている。FRETイメージングにより、極性決定過程でそれらの分子それぞれが特有の活性分布を持つという結果を得た。
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Research Products
(6 results)