2004 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病における神経細胞死と関連したチロシン水酸化酵素の細胞内安定性の解析
Project/Area Number |
16500247
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
中島 昭 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (20180276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 明 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10247637)
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Keywords | tyrosine hydroxylase / stability / dopamine / PEST motif / Parkinson disease |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)の疾患遺伝子としてα-シヌクレインやパーキン等が発見され、ユビキチン・プロテアソーム系の異常とPD発症との関連性が注目されている。最近、α-シヌクレインが誘発する培養神経細胞のアボトーシスが、チロシン水酸化酵素(TH)のインヒビターで抑制されることから、神経細胞死はTHから合成されたドーパミン(DA)の働きに関連していることが報告された。さらに、PD患者の脳内では、カルパインの発現量が著しく増加すること、THのN端はカルパインにより切断されやすいことが報告された。すなわち、PD患者の神経細胞内ではカルパインが過剰発現してTHのN端が切断されていることが推察された。しかし、THの低分子量化がDA合成に与える影響については全く知られていない。 平成16年度は、N端を削除したヒトTHタイプ1(hTH1)を種々の培養細胞に導入後、細胞内でのDA合成量、hTH1の安定性、並びに、hTH1の酵素化学的性質を精査して以下の結果を得た。1)hTH1のN端を52残基削除した変異体を導入した細胞内でのドーパ合成量はwild-typeを導入した細胞内に比し著しく高値を示した。2)N端を削除した変異体ではwild-typeに比しhTH1の細胞内安定性は著しく増加した。3)hTH1の2次元構造予測からhTH1には5つのPEST(proline, glutamate/aspartate, serine, threonine)モチーフが存在しており、中でもPEST-1モチーフ(Met^1-Lys^<12>)はプロテアーゼ分解を最も受けやすいことが予測された。これらの結果を研究発表欄に示すJ.Neurosci. Res. (in press)に加え、2004年のアメリカ神経科学会、日本神経化学会で発表した。
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Research Products
(1 results)