2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規の細胞死抑制遺伝子alivinファミリーの機能の解析
Project/Area Number |
16500253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小野 富男 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60231239)
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Keywords | 神経細胞死 / アポトーシス / アルツハイマー病 / Alivin / 小脳顆粒細胞 / 神経活動 / ロイシンリッチリピート / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
痴呆症の発症には環境要因が大きく関与している。疫学的研究によると楽器演奏、読書、ボードゲームなどの知的な余暇活動を継続的に行った人たちの痴呆症発症率が有意に低いことが示されている。また、刺激の多い環境下で育てたラットの脳では、神経細胞のアポトーシスが有意に抑制されることが報告されている。これらの事実は認知活動(神経活動)が引き起こす現象のなかに痴呆症の予防と治療法開発のための重要な手がかりが存在することを示唆している。そこで我々は痴呆症の予防と治療法の標的候補分子を探索するために、神経活動を阻止すると神経細胞はアポトーシスにより死滅するという現象に着目し、神経活動依存的な生存機構の責任遺伝子の候補を網羅的に探索した。その結果、神経活動依存的に発現し神経細胞のアポトーシス抑制活性を持つ遺伝子であるalivin 1(ali1)を発見した。alivin 1がコードするタンパク質の細胞外ドメインは、ショウジョウバエの発生時における背腹軸の決定に関与する分子(Kek1)や神経栄養因子の受容体(Trkファミリー)と相同性を持つことから、Alivin 1はシグナル伝達因子であることが予想された。alivin 1にはパラログ(alivin 2,3)が存在し、ファミリーを形成している。'また、ヒトalivin 1の遺伝子座はアルツハイマー病(AD)5型がマッピングされている領域内に存在することから、alivin 1はAD5の原因遺伝子の有力な候補であると考えられる。 本研究ではalivinファミリーの機能を明らかにするために次の事柄について研究を進めている。 (1)alivin 1/2/3について、ノックアウト・マウスの作製を行っている。 (2)Alivin 1タンパク質を過剰発現するトランスジェニック・マウスの作製を行い、その表現形について解析を進めている。 (2)Alivin 1/2/3タンパク質をそれぞれ特異的に認識する抗体を作製し、それぞれのタンパク質の時間的空間的な発現パターンについて解析を行っている。
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Research Products
(1 results)