2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規の細胞死抑制遺伝子alivinファミリーの機能の解析
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16500253
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Research Institution | Tokyo metropolitan organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小野 富男 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60231239)
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Keywords | 神経細胞死 / アポトーシス / アルツハイマー病 / Alivin / 小脳顆粒細胞 / 神経活動 / ロイシンリッチリピート / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
本研究は、神経細胞の活動依存的な生存と死の制御に密接に関連して発現が制御される遺伝子であるalivin1とそのファミリー遺伝子の生理機能を明らかにすることにより、神経変性疾患治療のための創薬に役立てることを目的としている。alivin1は神経活動が引き起こす細胞内へのCa^2+の流入により発現が上昇し、神経細胞のアポトーシス抑制活性を持つ遺伝子として、我々が独自に見出した遺伝子である。alivin1は細胞外にタンパク質相互作用のモチーフであるロイシン・リッチ・リピート7個と免疫グロブリン・ドメイン1個、および膜貫通ドメインを1個持つタンパク質をコードしている。alivin1にはパラログ(alivin 2,3)が存在し、ファミリーを形成している。alivin1は胃腺がんで高発現しており、発がんや細胞接着、細胞移動と密接に関連していることが報告されている。alivin2は神経系に特異的に発現し、神経突起伸展や神経束形成と関連していることが報告されている。本研究ではalivinファミリーの個体レベルでの機能を解析するために、alivin1/2/3の各々についてノックアウトマウスの作製と表現型の解析を行っている。平成19年度はalivinl2ノックアウトマウスの作製を行った。ターゲティングベクターをES細胞に導入し、正しくターゲティングされたES細胞を3系統得た。これらのES細胞のうち、1系統のES細胞より、キメラ率50-100%のキメラマウスを8個体得た。このうち、5個体についてalivinl2ノックアウトアレルが生殖系列に伝播し、ヘテロ接合体およびホモ接合体を得ることができた。現在、背景遺伝子を均一化するためのコンジェニック系統の作製と、alivin2ノックアウトマウスの表現型の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)