2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄サイレントシナプスと長期増強:シナプス前および後電位のイメージングによる解析
Project/Area Number |
16500262
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村瀬 一之 福井大学, 工学部, 教授 (40174289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 弘 福井大学, 工学部, 講師 (80377473)
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Keywords | シナプス / イメージング / 一酸化窒素 / 電位感受性色素 / 脊髄 / 痛覚 |
Research Abstract |
痛みを伝える一次求心性線維は脊髄後角浅層に終末する。この一次シナプスは可塑的で、その長期増強がある種の痛覚過敏に関与すると考えられている。我々は、電位感受性色素でラット脊髄横断切片全体を染色し、後角での神経興奮伝播を可視化し可塑性などを調べてきた。我々は今までに、条件刺激でサイレントだったシナプス後細胞が目覚めると共に、サイレントだった前終末が発火をし始めることを明らかにし、さらに、一酸化窒素NOの介在も明らかにした。 そこで本研究では、長期増強のシナプス前メカニズムを明らかにすることを目的として、まず、電位のイメージングと同時にNOの蛍光イメージングを行うことを試みた。同一切片をNO色素と電位色素の両方で染色し同時に光計測を行ったところ、条件刺激時にNOが脊髄I-II層で上昇した。また、NOの上昇と長期増強の程度に強い相関が見られ、また、NO合成酵素阻害下ではこれらの変化が共に見られなかった。グリア細胞の代謝阻害下では、長期増強とNOの上昇が共に生じなかったことから、グリアからのNOにより長期増強が誘導されている可能性が考えられる。また、A線維への低頻度刺激を予め与えておくと長期増強が生じないが、それにはNMDAやオピオイド受容体、そしてCa^<++>は関与していないことも明らかにした。今後、種々のモデル動物を用いるなどして検討を行う必要があると考えられる。
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Research Products
(2 results)