2004 Fiscal Year Annual Research Report
サルコリピンによる心筋筋小胞体Ca_<2+>取り込みの分子調節機構
Project/Area Number |
16500269
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本郷 賢一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00256447)
川井 真 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40277025)
草刈 洋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338889)
大津 欣也 大阪大学, 大学院・医学系研究科医学部, 助手 (20294051)
|
Keywords | 筋小胞体 / 細胞内Ca^<2+> / サルコリピン |
Research Abstract |
(1)左室乳頭筋標本による細胞内Ca^<2+>トランジェントと収縮張力の同時測定 サルコリピン(SLN)過剰発現マウス(SLN-TG)及びNTGマウスより左室乳頭筋を得る。標本を張力トランスデューサーに装着し、Ca^<2+>感受性発光蛋白エクオリンを圧注入後、標本に電気刺激を与えて収縮を誘起し、Ca^<2+>トランジェント(CaT)と収縮張力を同時測定した。SLN-TGはNTGに比べ、CaTと収縮張力のピーク値は有意に低かった。細胞内Ca^<2+>減衰速度と収縮弛緩速度はどちらともSLN-TGでは有意に延長していた。これらから心筋においてもSLNの過剰発現により、Ca^<2+>取り込みが減弱し、CaT・張力・弛緩時間に影響を与えることが示唆された。心筋標本に交感神経β受容体刺激薬を作用させ、燐酸化時のCaTと収縮張力変化を測定し比較検討したところ、SLN-TGはβ受容体刺激により有意にCaTと収縮張力が増加し、細胞内Ca^<2+>減衰速度と収縮弛緩速度も速くなるものの、NTGに比べその絶対値は抑制されていることがわかった。このことはSLN-TGにはβ受容体刺激による調節を受けない細胞内Ca^<2+>取り込み抑制機構が存在することを示唆し、SLNは燐酸化の影響を受けない可能性が考えられた。 (2)心室肉柱標本による筋小胞体Ca^<2+>放出の定量評価- 定量的な筋小胞体Ca^<2+>放出の評価を行うため、心臓より細い肉柱標本を摘出し、サポニン処理して細胞形質膜のみを除去し、筋小胞体膜を温存したスキンド標本を作成した。筋小胞体内にCa^<2+>を取りこませた後、筋小胞体から放出されるCa^<2+>量を蛍光指示薬(fluo-3)にて測定した。現在までにこの方法を用いて、マウス筋小胞体のCa^<2+>放出量や、全Ca^<2+>含有量の検討に成功している。今後はこの方法を用いて筋小胞体機能に対するSLNの機能を明らかにしていく。
|
Research Products
(6 results)