2005 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学・染色体工学技術を用いたデュシャンヌ型筋ジストロフィーモデルマウスの作出
Project/Area Number |
16500279
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
花岡 和則 北里大学, 理学部, 教授 (40189577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 孝司 北里大学, 理学部, 助手 (20276174)
渡邊 大介 北里大学, 理学部, 助手 (00260175)
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Keywords | 筋ジストロフィー / DMD / Cre-lox / ジストロフィン / ES細胞 / 筋疾患 / アイソフォーム / マウス |
Research Abstract |
本研究は,筋ジストロフィー(DMD)の原因遺伝子であるジストロフィン遺伝子(全長2.5M)を転座させた人工染色体ベクターを作成し,それをマウス胚幹細胞に導入するという新しいアプローチから,DMDの究極的なモデル動物を作成することを目的としたものである。昨年度までの研究により,ジストロフィン遺伝子を含む人工染色体ベクターHAC-DMDを保持したES細胞株を用いてキメラマウスを作成することに成功した。本年度は,このキメラマウスを交配することにより,HAC-DMDが次世代に伝達されることを確かめるとともに,これらのマウスにおいてヒトジストロフィン遺伝子が発現していることを確認した。さらに,ヒトジストロフィン遺伝子だけが発現するマウスを作成するために,Cre-loxPシステムを用いてマウスジストロフィン遺伝子全長2.4Mbを完全に除去したDMD-null ES細胞株を樹立し,このES細胞を用いてジストロフィンを欠失したDMD-nullマウスを作成した。このマウスの表現型を詳細に解析し,筋ジストロフィーと同様の激しい筋崩壊が生じることを確認した。また,DMD-null ES細胞にHAC-DMDを導入し,このES細胞を用いてキメラマウスを作成することにも成功した。これらの結果から,マウスのジストロフィンをヒトのジストロフィンと交換したモデルマウスを作成するための基本的な実験系が確立したと考えられる。
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Research Products
(4 results)