2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500280
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荒田 悟 昭和大学, 組換えDNA実験室, 講師 (20159502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 助教授 (30177258)
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Keywords | 中枢性呼吸疾患 / 遺伝子操作マウス / プレチスモグラフ / 摘出脳標本 |
Research Abstract |
本研究は、先天性中枢性呼吸疾患の原因遺伝子およびそのメカニズムを明らかにする目的で、出生前後に呼吸障害で死亡する遺伝子操作マウスについて解析を進めている。本年度は、昨年度と同様に、新生マウスまたは蘇生させた胎生後期(E18.5)マウスにおける(1)ホールボディープレチスモグラフを用いたin vivo解析、(2)摘出脳標本を用いたin vitroの電気生理学的解析、(3)同標本におけるvoltage-sensitive dyeを用いた光学的測定法による解析、この3つの方法により中枢性の呼吸異常を検討した。我々は、生後24時間以内に呼吸異常を示す遺伝子組換えマウスについて解析を続けているが、これまでに呼吸中枢の存在する延髄の腹外側部(VLM)に局在が見られるホメオドメイン蛋白質Tlx3とPbx3の欠損マウスでは、ともに呼吸中枢神経回路の異常による中枢性低換気症を示すことを報告した。また、Tlx3はGABA作動性ニューロンへの分化を抑制し、グルタミン作動性ニューロンへの分化を促進する働きが明らかになり、KOマウスではGABA作動性ニューロンが優位となることが呼吸異常の原因であることを報告した。しかし、Pbx3 KOマウスではGABA_A阻害剤のビククリンでの影響がなかったことから、神経回路の機能異常にTlx3と異なる機構があることが分かった。 本年度はさらに、DSCAM(Down syndrome cell adhesion molecule)KOマウス、ARNT2(Arylhydrocarbon receptor nuclear translocator 2)KOマウス、およびPACAP(Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide)Tgマウスについて解析を行なった。その結果、DSCAM KOマウスは、E18.5およびPOともに規則性の呼吸は認められず、また呼吸中枢の異常が示唆された。ARNT2 KOマウス、PACAP Tgマウスについては、呼吸中枢神経回路の異常は認められなかったが、麻酔下における呼吸パターンの異常が認められた。次年度は、さらにこれらの解析を進め、呼吸中枢神経回路の発達における異常の分類とそれに関わる遺伝子を明らかにする。
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Research Products
(3 results)