2006 Fiscal Year Annual Research Report
振動型マイクロインジェクション法の有用性の基礎的研究
Project/Area Number |
16500281
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
宮脇 富士夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50174222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 健二 拓殖大学, 工学部, 教授 (40016770)
長谷川 淳 拓殖大学, 工学部, 助教授 (30228449)
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Keywords | 振動型マイクロインジェクション法 / 超音波領域振動型 / 安全性評価 / マイクロピペット / 胚盤胞期 / 発生効率 / 死亡率 / 核DNAひきずり出し現象 |
Research Abstract |
超音波領域振動型マイクロインジェクション法(UVM)を開発し、まずその安全性評価を行った。超音波領域の振動は可聴域に比べて一般的にエネルギーが大きいため、それによる細胞への傷害が懸念さる(極端な例としてcavitation)。次に、マイクロピペット先端部の横プレによる受精卵傷害の危険性もある。マイクロピペットは約20°曲げられて使用されるため、この状態で縦振動を加えると理論的には"振幅^*sin20°"の横プレが起こることになる。UMVに関わるこれら2つの危険性の有無を振動数70と50kHzで検討した。 雌BDF1から採取した受精卵をUVM群と無振動(OM)群に分け、各群30個ずつに1本のマイクロピペットで前核インジェクションを行った。導入遺伝子はGFP遺伝子で、前核がごくわずか膨らむ程度しか注入しなかった(外来DNA注入量が多いと受精卵の死亡率が高くなるので、この影響を小さくするため)。70kHzの結果を以下に示す。 1)6セットのインジェクションを行ったが、30個を処理する前にマイクロピペットが詰まりインジェクションを断念する割合がOM群の方が高く、処理卵数はUVM群で166個、OM群で144個となった。 2)4日後の発生状況:OM群では58.6%が胚盤胞期まで進んだが、UVM群では69.3%が進んだ(P=0.050,χ^2test)。卵死亡率はOM群で23.4%、UVM群で12.0%であった(P=0.008,χ^2test)。以上から、超音波振動による悪影響は認められなかったばかりでなく、超音波振動を加えることによって死亡率を約半分に、生存卵の発生効率を約1.2倍にできることが判った。 3)核DNA引きずり出し現象が認められた卵の頻度は、OM群で9.7%、UVM群で1.2%であり(P=0.0004,χ^2test)、この点でもUVMが優れていることが判った。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Development of Vibratory Microinjection System to increase production rate of transgenic animals2006
Author(s)
Miyawaki F, Hasegawa J, Kikuchi T, Tsuchiya M, Saito Y, Suzuki H, Ippongi T, Kobayashi K, Itohara S
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Journal Title
Reproduction, Fertility and Development 18(1,2)
Pages: 296