2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体解性ポリ(L-乳酸)の残存結晶領域の長期InVitro加水分解挙動および機構
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16500291
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
辻 秀人 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (60227395)
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Keywords | ポリ(L-乳酸) / ポリ(L-ラクチド) / 生分解性ポリエステル / 生分解性高分子 / 再生足場材料 / 医用材料 / 残存結晶領域 / 加水分解 |
Research Abstract |
平成18年度は、ポリ(L-乳酸)、すなわちポリ(Lラクチド)(PLLA)の共重合成分がPLLAの、37℃のリン酸緩衝液(pH7.4)中における加水分解の際に起こる結晶化と生成した残存結晶領域の加水分解挙動に与える影響を示差走査熱分析(DSC)装置と広角X線散乱(WAXS)装置を用いて検討した。まず、非晶化したポリ(L-ラクチドーE-カプロラクトン)[P(LLA-CL)]を用いて、共重合成分であるε-カプロラクトンが、加水分解の際に起こる結晶化と分解により生成する残存結晶領域の分解挙動に与える影響に関する研究を行った。その結果、2週間以内に急速に結晶化が完了し、12週間以降で融点が160℃から24週間の145℃に急激に低下した。後者の結果は生成した残存結晶領域が高速で分解していうことを示唆している。また、PCLLA-CL)と同様にして、非晶化したPLLAと少量(1.2%)のD-ラクチドを含む非晶化したポリ(乳酸)、すなわちポリラクチド(PLA)を用いて、少量の共重合成分であるD-ラクチドが、37℃リン酸緩衝旅中における結晶化と分解により生成する残存結晶領域の分解挙動に与える影響に関する研究を行った。しかし、60週間経過しても。D-ラクチドを含んだPLAや分子量の最も高いPLLAは、非晶のままであった。分子量の最も低いPLLAでは、結晶化は起こるが、残存結晶領域は得られなかった。これは、加水分解速度がP(LLA-CL)よりも極めて低いためである。
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Research Products
(3 results)