2005 Fiscal Year Annual Research Report
頸髄症に対する手術法の評価手法確立のための頚椎構造強度解析装置の開発と頚椎の動作
Project/Area Number |
16500292
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河野 俊一 山口大学, 工学部, 教授 (40044276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜本 逸男 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 助教授 (70225853)
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Keywords | 頸椎 / 頸椎の動作解析 / むち打ち症 / 単純曲げ |
Research Abstract |
本研究は頚椎の粘弾性的特性を考慮して,変形速度制御が可能,かつ純粋なトルクを試料に負荷できる試験装置を試作したものである.前年度(平成16年度)に引き続き反力の制御方法の改善,可動部の軽量化等の装置の改善を行うと共に,試験装置の有効性を頸椎模型および豚頚椎を用いて実験的に検証した. 装置は,二台のACサーボモータ,X軸およびY軸方向の動きに対応したXYステージおよび二台のZステージの動作の組み合わせによって6自由度を実現している.例えば,Y軸回りの回転力を試料に与え時に生じる各軸方向の反力を,X, Y及びZステージを駆動させることで制御している.紙面の都合上豚頚椎を用いた実験結果のみを説明する. 1)首を前屈させた場合: 首を曲げる動作以外の動き(例えば頸椎の軸方向あるいはそれと直角方向の反力)を拘束すると,各反力を0とした場合と比較して曲げトルクが約3倍程度上昇する.この結果は,本装置が頸椎の単純曲げを可能にしていると推定できる. 2)頸椎の軸方向に圧縮荷重を加えた場合: これは,自動車停止時に後ろから衝突された時のシートから突き上げられる状態を想定しており,むち打ち症の解明を目的としている.この実験結果と1)の首の前屈の結果を比較すると,より首を曲げよとする反力が大きくなっている.これは,むち打ち症は単に衝突方向のみに衝撃力が作用しているではなく,衝撃力がシートなどに伝播し,背骨が頚椎を突き上げるないしは頭の重量で圧縮力が働くと同時に首を曲げる衝撃力が作用すると考えるほうが妥当であることを示唆している.
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