2006 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織診断支援のための標本スライド3次元解析手法の研究
Project/Area Number |
16500302
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 正信 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (20338312)
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Keywords | 病理診断 / 組織標本 / 診断支援 / 画像解析 / 核 / 肝臓 / ベイズ推定 / 3次元 |
Research Abstract |
【目的】 病理組織の標本スライドを3次元の対象物として解析する手法について研究し,最終的には標本の厚さに依存しない特徴量を算出することにより病理組織診断を支援するシステムを実現する. 【研究成果】 H18年度の研究成果を以下にまとめる. 病理医が通常観察している病理組織画像1枚から3次元的核密度を推定する手法について,改善を行った.具体的には,特徴量として用いるヒストグラムの階級幅の最適化や,ヒストグラムの一致を判定する条件の改善を行った. また,核に関する3つのパラメータ(3次元的核密度,核の平均半径,半径の分散)を同時に推定するため(同時推定),3つのパラメータの全ての組み合わせについて確率密度の算出が必要となり,計算時間がかかる問題があった.そこで,3つのパラメータを一つずつ順番に推定する手法(順次推定)を新たに考案した.シミュレーションの結果,同時推定で4時間かかった推定が順次推定では6分で実行でき,計算時間を大幅に短縮できることが明らかとなった.推定結果に関しては,期待値についてはほぼ同じ結果が得られたものの,信頼区間幅については順次推定の方が小さくなった.この原因は3つのパラメータの独立性が不十分なためと思われ,順次推定の結果を利用する際には算出された信頼区間幅を少し大きめに想定する必要があることが明らかとなった. 実現した推定手法を利用するためのGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)を実現した.GUIは,肝病理組織標本画像からの核位置の自動抽出,修正,核輪郭の自動抽出,修正,輪郭情報を元にした核のパラメータの自動推定などの機能を持つ.核位置や輪郭の修正はマウスを用いて容易に行えるようになっており,これにより,標本の厚さに依存しない核密度の算出が可能な支援システムが実現された.
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Research Products
(2 results)