2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500310
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 敦夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (30356480)
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Keywords | フッ素含有炭酸含有アパタイト / CFAP合成法 / マグネシウム含有βTCP / Mg, Zn, F含有2相性リン酸カルシウム / 溶解度積 / 炭酸含有アパタイト |
Research Abstract |
(1)炭酸含有アパタイト(CAP)の合成:リン酸水素ナトリウム水溶液に、炭酸水素ナトリウムを溶解し、酢酸カルシウム水溶液を添加して80℃に保持し、12時間熟成、ろ別、洗浄して乾燥後粉砕した。 (2)フッ素含有炭酸アパタイトの合成条件決定:上記CAPにフッ化ナトリウム水溶液を固液比2-3で混合して練和物とし、室温〜80度で湿式反応させた後、炭酸ガス雰囲気下600〜800℃で反応させ、フッ素含有炭酸アパタイト(CFAP)を合成した。固液比、温度、焼成時雰囲気の最適化を行い、加えたフッ素とナトリウムがそれぞれPサイトとCaサイトに95%以上固溶するようにした。これまでのCFAP合成法では上記(1)の過程にフッ素イオンを共存させるのが一般的であるが、この場合、未反応のフッ素イオンを含む廃液が大量に生成することになる。本研究では、遊離フッ素イオンがほとんど生じないCFAP合成法を確立した。 (3)フッ素含有炭酸アパタイトの大量合成:上記(2)の合成条件を基にして、F含有量として1%及び2%の2種類のCFAPを大量合成した(20g以上)。 (4)マグネシウム含有βTCP(MgTCP)の大量合成:高純度炭酸カルシウム、リン酸、硝酸マグネシウムを出発物質としてMgTCPを大量に(300g以上)合成した。 (5)Mg, Zn, F含有2相性リン酸カルシウム粉末の調整:上記(3)(4)で合成したMgTCP、CFAPを、厳密に定めた粉砕条件の下でそれぞれ粉砕し、ZnTCP粉末と均一混合した。この混合粉末は共同研究先で、徐放速度測定、骨粗鬆症の予防効果と治療効果が調べられる予定である。 (6)溶解度積測定の開始:系統的にMgを変化させたMgTCP粉末をpH5.5の0.06M酢酸緩衝液に浸漬した。このpHはTCP/DCPD及びTCP/OCPのsingular pointのpHである。そのため、仮にDCPDやOCPに相転移したとしても溶液のCa、P濃度は変化しない。浸漬は空気中及び窒素ガス雰囲気中で行い、室温で3-12ヶ月放置する実験を開始した。3ヶ月放置した分について溶解度積を計算した。
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Research Products
(7 results)