2005 Fiscal Year Annual Research Report
三次元マイクロCTによる顕微仮想化内視鏡を用いた細気管支肺胞内の探索システム
Project/Area Number |
16500322
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Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
名取 博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00102260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 正信 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70200061)
高橋 弘毅 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60231396)
鳥脇 純一郎 中京大学, 大学院・生命システム工学部, 教授 (30023138)
森 健策 名古屋大学, 大学院・工学部, 助教授 (10293664)
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Keywords | 医療福祉 / 情報工学 / 内科 / バーチャルリアリティ / 仮想現実的顕微探索 |
Research Abstract |
研究の目的:気腔を保った状態で固定する伸展固定肺標本をマイクロフォーカスコーンビームCT画像で撮影してえられた高空間分解能三次元画像データに基づくvirtual endoscopyの手法で細気管支肺胞領域の微細空間を顕微鏡的レベルで探索し、分析して医学的意義について検討する。 材料と方法:Heitzmanの方法による伸展固定肺を10症例作成し、この内から10x10x10mmの大きさの標本を切り出してマイクロフォーカスコーンビームCTで撮影し、LANに接続したハードディスクアレイに保存した。末梢肺野の構造分析には、パーソナルコンピュータDell Precision 650(Xeon 3.6GHz x 2CPU)上で共同研究者の森、鳥脇らが開発したアプリケーションであるvirtual endoscopy system「New VES」を用いて微細肺構造を三次元的に観察し、気道内腔を探索した。 結果:健常肺のみならず病的状態について検討する目的で病変肺のHeitzman伸展固定肺、10症例のデータを収集し、うち2症例について分析した。マイクロフォーカスコーンビームCTによる撮影条件の検討では、画像再構成関数に高空間周波数領域の輪郭強調処理等を行うとノイズが著しく現れるので、注意を要することが判明した。撮影条件と顕微仮想化内視鏡処理プログラム条件の最適化をおこなって、一般性の高い処理条件を得た。 肺末梢組織の気腔を仮想化内視鏡システムを用いて探索し、顕微鏡的レベルで終末細気管支から呼吸細気管支、肺胞道、肺胞に至る経路を連続的に観察する方法を健常肺と病変肺に適応して、従来の病理学的連続切片法では実現不可能な、非破壊的三次元画像法による観察で疾患の特徴を明かにした。仮想化内視鏡システム上で、計測機能の充実をはかった。肺胞道に至るまでの気道壁は連続性に面をなすが、肺胞道に達すると、気腔の壁は薄くなり、多数の肺胞腔が出現する。肺胞領域は微細な網目状構造の多面体からなる気腔の連続構造を示した。 顕微仮想化内視鏡システムによる末梢肺探索の画像を医学部4年の医療情報科学と機器診断学の気管支内視鏡の講義、および5年の学生実習で供覧した。 「顕微仮想化内視鏡による細気管支肺胞領域の観察方法の確立とその臨床応用に関する研究」について北米放射線学会Radiological Society of North America)およびヨーロッパ放射線会議(European Congress of Radiology)で発表した。
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Research Products
(2 results)