2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性萎縮筋における免疫生化学的変化の解析およびリハビリテーションの影響
Project/Area Number |
16500344
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
折口 智樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (90295105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 実 星城大学, リハビリテーション学部, 助教授 (50244091)
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 拘縮 / マトリックスメタロプロテアーゼ / MMP-2 / MTi-MMP / TIMP-1 |
Research Abstract |
筋の廃用性萎縮にみられる筋線維や筋内膜コラーゲン線維網の形態学的変化について、免疫生化学的な見地から解析を行った。本年度は、免疫生化学的因子としてマトリックスメタプロテアーゼ(MMP)の発現について検討した。潜在性MMPを活性型に変換することで最近注目されている膜型MMP(MT1-MMP)ついても検討した。 1.形態学的検証 生後8週齢の成熟した雄ウイスター系ラットの両側足関節を最大底屈位でギブス固定した。 正常なラットの場合、麻酔下における足関節の最大底屈位から背屈方向への可動域は約160°であるが、固定後4週で74.0+11.2°と低下し、拘縮の進行が認められた。筋湿重量は225.3+35.6mgから98.5+14.3mgに低下し、筋節の長さは、2126.2+180.9nmから1885.1+368.8nmと低下した。形態学的にも、筋線維経は細くなり、筋原線維にはフィラメントの配列の乱れやZ帯の断裂、蛇行などの退行性変化を認めた。筋周膜や筋内膜は肥厚し、筋線維長軸方向に対して横走するコラーゲン線維網が多く認められた。 2.マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)に関する実験 上記の如く固定されたラットから得られた凍結切片を試料として、Gelatin zymographyを行った。固定後2週でMMP-2のゲラチナーゼ活性が強くなり、active formも出現した。同様に、MT1-MMPもwestern blot法で検出した。TIMP-1の発現も確認した。さらにmRNAレベルにおいても、MMP-2およびMT1-MMPの発現増強が認められた。つまり、固定群の筋肉内では固定後比較的早期の2週目からMT1-MMPの活性化に伴い、MMP-2が活性化され、それによって筋線維の退行性変化がおきることが示唆された。一方、MMP-2の活性を抑制するTIMP-1も同時に発現していた。
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