2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500347
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 清実 富山県立大学, 工学部, 教授 (20143860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 博史 富山県立大学, 工学部, 助手 (40363874)
黒川 正博 株式会社黒川製作所, 取締役企画管理部長(研究職)
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Keywords | 遠隔介護支援システム / 非接触型入力装置 / 目位置検出 / 代替コミュニケーション / 自動カメラ制御 / 瞬きクリック / 停留クリック / 代替入力装置 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)や重症筋無力症、脳卒中等による全身麻痺などの重度障害者が、既存の手足や口、目による接触型の代替コミュニケーションツールを使用するには、煩わしさや負担が大きいという問題がある。そこで本研究では、CCDカメラで撮影した顔画像から目の位置を検出し、目の位置情報と瞬きをマウス機能に対応させた非接触型の入力装置を開発した。また、LANネットワークおよび電話回線を利用して、1台の介護者用サーバPCと複数台の障害者用クライアントPCで構成される遠隔介護支援システムを開発した。 1.目の位置と瞬きを利用した非接触型入力装置の開発 非接触型入力装置の開発では、周辺光環境変化による瞬き検出実験および目の位置と瞬きを利用したマウス機能の実現について検討を行った。瞬き検出実験では、周辺の光環境とレンズのアイリスを変化させて様々な明るさで顔画像を取り込み、瞬き検出実験を行った。最適な2値化閾値および瞬き判定のための黒目の面積閾値を調査した結果、2値化閾値は顔画像の平均輝度に対して相関があり、一次直線で表すことができた。この結果は、周辺光環境が変化した場合でも、リアルタイムで瞬き検出に最適な2値化閾値を自動調整できることを示している。一方、最適な面積閾値は目の形状の違いにより個人差があることが明らかになった。 目の位置と瞬きを利用した非接触型入力装置では、CCDカメラで撮影した顔画像より検出した目の位置をマウスカーソルの位置に対応させ、目を動かすことによりマウスカーソルの移動を実現した。また、クリックおよびダブルクリックの実行は瞬きの回数で判定する。ここで、閉眼時間が0.2秒程度の通常の瞬きと区別するために、1秒程度目を閉じることによりクリックと判断した。クリック判断のための閉眼(瞬き)時間は可変である。一方、目を一定領域内で一定時間停留させることによりクリックを実行する停留型クリックも開発した。 2.介護支援システムの大規模ネットワーク化と非接触入力装置の導入 これまでに開発したLANネットワークを利用した遠隔介護支援システムは、サーバとクライアントが1対1通信に限定されていた。本年度は、遠隔介護支援システムを複数のクライアントに対応できるようにサーバアプリケーションソフトを改良した。また、非接触入力装置をクライアントシステムに導入し、カメラの向きやズーム、アイリスを自動設定するためのカメラ自動制御アルゴリズムを開発した。 来年度は、実際の障害者に非接触型入力装置を操作してもらい、瞬きによるクリックと停留型クリックの操作性、自動カメラ制御の性能実験を行う。また、介護者にも遠隔介護支援システムを使用してもらい、システム全体についてのユーザビリティ評価を行う。
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Research Products
(6 results)